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小川町USPファームだより 2023年3月号

発行日:2023年3月10日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子

今月号は

をお届け致します。

小川町の畑情報

(文:高橋かの)

小川町での農業研修を経て、近隣地域で活躍する農家たち『ときのこや(ときがわ町)』

3月5日日曜日。晴れて日差しが暖かい休日に、小川町から出て、隣のときがわ町にやってきました。

目的地は、「有機農家の直売所 ときのこや」。JAの直売所の隣の敷地に、ビニールハウスを立てて、 半屋外の売り場が設置されていました。

ときがわ町は、小川町よりもさらに山深くて、林業や木工など木にまつわる産業が盛んな町です。 また、より自然に囲まれた静かな田舎暮らしを望む方が、移住したり出店したりしているのも、 特徴の一つです。

そんなときがわ町で営農する農家や町の若者有志が集まり、「ときのこや」 という農林産物直売所をスタートしたのは2010年のこと。 実に12年以上も前のことです。今でも、毎週日曜の直売所営業の他、 「ときのこや祭り」という音楽や飲食も出店するイベントなどが開催されているため、 小川町でもよくその名前を耳にします。

今回は、小川町の観光案内所×移住サポートセンター「むすびめ」に野菜や加工品を出している 2軒の農家さんが「ときのこや」メンバーだったこともあり、誘っていただいたので、初めて、 日曜の営業日にお邪魔してきました。

訪れてびっくりしたのが、まず、陳列されている野菜の量でした。 お野菜届け隊の方はご存知かもしれませんが、現在、露地の畑は端境期(はざかいき)といって、 春野菜が出始めるまでの間なかなか収穫するものがないような時期です。 にも関わらず、大根・にんじん・芋類・ねぎ類・キャベツ・菜花などが、 ずらっと並んでいる光景はびっくりでした。

不思議に思っていると、掲示された農家紹介のパネルが目に入りました。

13軒ものいきいきした農家さんたちの顔が並んでいて、それぞれ、畑や農作物への想いが綴られています。 皆さん共通して、無農薬・無化学肥料で栽培されている方々ですが、種の選び方、 土づくりへのこだわり、使用する農業資材、地球や地域への考え … など、個々の大事にしている ことが伝わってくる掲示内容になっていました。

その場に一緒にいた農家さんが、皆さんがどこで有機農業を学んだのか、教えてくださいました。 そこで名前が上がったのが、霜里農場さん、河村農場さん、風の丘ファームさん、横田農場さん、 久野農園さん … といった小川町の名だたる面々。

今まで、小川町で学び、小川町で就農する農家さんに焦点を当ててきましたが、 隣町という近距離のエリアで、こんなにもたくさんの若い方々が農業をされていたのだなと気がつきました。

「ときのこや」の農家さんたちは、交代で直売所の店番をしたり、 運営のリーダーや会計といった役割分担をしたり、協力しながらこの活動を継続されているということでした。

農産物に貼られている説明のシールやPOPは、ロゴマークが入っていたり、 びっしり文字が詰まっていたり。そこからも、育てたものへの愛が感じられて、 食べてみたいなという気持ちになります。

お客さんは、やはり常連の方が多く、中にはいつも1万円以上お買い物をしていく方もいるのだとか! お野菜届け隊のように、 一軒の農家さんのものを食べることで応援したい方はもちろんたくさんいらっしゃると思いますが、 どうしても、今のように野菜が十分な量収穫できない時期には、 こういう場所でたくさんの農家さんのものを少しずつ買っていく、 というのもまた買い支えるということだなと感じました。

この陳列棚なども、みんなで手作りしたのだそうです。商品を明るく照らす電球の電気は、 屋外に設置された太陽光パネルから。 こちらは、小川町周辺の方々で取り組まれている自然エネルギーの活動との協同で設置されたのだそうです。

ときがわ町といえば、2022年5月号のファーム便り の中で紹介されている「とうふ工房わたなべ」があります。

行政区分は違えど、小川町の農家さんと同じ出自で無農薬・無化学肥料で農業を営む方がいて、 それを一緒に盛り上げる他業種の方がいるときがわ町。

ときがわ町に限らず、実は全国にそんな方々がいるんだな、と、改めて気がついた週末でした。 日曜日にご予定の合う方は、ぜひ、霜里豆腐や霜里納豆のお買い物とあわせて、 「ときのこや」をのぞいてみてはいかがでしょうか。

【シリーズ】小川町今昔物語(第11回)

1300年の伝統の小川和紙とこれから

小川と言えば、全国的には「和紙の町」として有名です。

隣町のときがわ町の慈光寺の写経用和紙として水が豊富な小川町で和紙つくりが始まり、 江戸=東京という大消費地を抱えて、 その紙需要(主として商家の大福帳や家の障子紙など)として発展してきました。

豊かな地域資源を抱え、地政学的に周囲を山に囲まれ、 外からの敵が入り難かったことから埼玉県下有数の商業都市として発展し、 その雰囲気から「小京都」と称されています。

和紙は現代の生活様式に合わないと思われているため、衰退してきていますが、 この伝統を守って家業として継いだ若者がいます。

先月末に小川町のシティプロモーション実行委員会が編集した冊子に登場する 「紙すきの村久保製紙」代表・久保孝正さん夫妻です。

「小川町マップ」では28号(2008年4月号)で久保孝正さんとコラボして 「持続可能な七夕まつりを目指して」というコンセプトのもとに参加しました。

和紙は何度でも漉き直せる事から、七夕飾りの和紙を通して、何度も漉き直してゴミの出ない仕 組みのイベントとして持続可能な未来を提案したものです。

そのコンセプトとご縁から、有機栽培の楮(和紙の原料)を使い、保存料、漂白剤などの化学物質 を使わない無添加和紙、『游季紙』(有機と高橋史游(優子)を掛け合わせたネーミング)が誕生し ました。 (→『游季紙』プロジェクト

伝統産業の技を伝えるために、和紙の材料表記など、時代に沿って果敢に新しいことにチャレン ジしている久保孝正夫妻を応援していきたいものです。

今月の小川町の話題

★【情報1】里山保全活動 椎茸コマ打ち体験&山菜採りと天ぷらを楽しむ会 3/25

小川町上横田大沼周辺の里山のほだ木を使って椎茸のコマ打ち体験をして、周囲の里山の山菜を採り、 それを天ぷらにして頂きます。里山が育む豊かな自然から得られる恵み・口福を堪能しましょう。

日時:
3月25日(土)10:00~14:00
場所:
小川消防署奥の里山とエディベリ
集合:
10時に小川消防署奥の里山の駐車場に集合 ⇒ 地図
内容:
椎茸コマ打ち体験 + 山菜採り + 山菜天ぷら
会費:
大人2,000円 こども1,500円(昼食・保険代込み)
準備物:
汚れてもよい服装、水分、軍手、my食器など

申込み ⇒ エディベリ 申込みフォーム

主催・問合せ ⇒ 小川里山食農スクールエディベリ 高橋 [TEL] 090-4453-6355 [Email] y.takahashi@tubasa-u.com

<昨年の椎茸コマ打ち体験会の様子>

★【情報2】満月焚き火会 4/6

恒例偶数月満月焚き火会も9回目を迎えます。毎回、様々な方が各所から参加して賑やかです。 2月は小川町に関心を持った大学生が中心でした。

炎を見ながら、というのは一種のデジタルデトストックになりますね。スマホもPCもない時間です。

隣には初めて会う人。さぁ~、何をどうやって喋りましょうか!自己紹介タイムを過ぎれば、 もう友達と話が弾みます。

以前、訪れたデンマークの人びとも長い夜をろうそくの灯りのもとで、 友達や近所の人達と語り合うのが日常だと言っていました。そして、それが彼らの幸福なのだと。 デンマークではその幸福感を「ヒュッゲ」と呼んでいます。

日時:
4月6日(木)18:00~21:00
場所:
小川里山食農スクールエディベリ(埼玉県比企郡小川町中爪280-3)⇒ 地図
会費:
薪代500円と持ち寄り食べ物1品とmy食器持参下さい。

申込み ⇒ エディベリ 申込みフォーム

主催・連絡・問合せ ⇒ 小川里山食農スクールエディベリ 高橋 [TEL] 090-4453-6355 [Email] y.takahashi@tubasa-u.com

<満月焚き火会 2月の様子>

★【情報3】「小川町SDGsまち × ひとプロジェクト OGAWA座談会」が移住紹介雑誌「TURNS」にて公開されました

オーガニックタウンとしてはもちろん、和紙や酒造りなどの伝統産業や歴史が残る小川町。 それらの魅力に惹きつけられて、小川町に関わりたいという方が増えています。 そんな中、 2020〜2022年度で行われた市民参加型のまちづくりプロジェクト『小川町SDGsまち × ひとプロジェクト』。

今年度をもって、その活動がひと段落したのですが、その中心で動かれたメンバーの想いが記事となり、 公開されています。

実行委員会は、「地域資源 × 民泊施設コラボイベント実行委員会」 「魅力体験型ツアー実行委員会」「フラッグシップイベント実行委員会」「地域課題解決イベント実行委員会」 「シティプロモーション実行委員会」の全5チーム。 それぞれの活動内容についても触れられていますので、ご興味のある方はご覧ください。

「小川町SDGsまち × ひとプロジェクト OGAWA座談会」記事

<移住紹介雑誌『TURNS』より>

★【情報4】有機稲作セミナー現地編 3/14

1/17に開催された「有機稲作概論」というセミナーを踏まえて、今度は実際に、日本農業遺産に 登録された小川町の上横田大沼地域での指導を受けます。有機稲作は稲刈りしてすぐ後が大 事、という事で3月開催となりました。

日時:
3月14日(火)10:00~15:00
場所:
小川町上横田谷津田と上横田会館
集合:
小川消防署脇の道奥突き当たり 地図
内容:
国際自然農法センター・榊原講師による現地セミナー
会費:
会員無料 / 会員外 3,000円
準備:
汚れてもよい服装、長靴、水分など

申込みフォーム

※ お弁当の必要な方は申込みフォームにお弁当希望と書いて下さい。

連絡・問合せ ⇒ 小川里山食農スクールエディベリ 高橋 [TEL] 090-4453-6355 [Email] y.takahashi@tubasa-u.com

立正大学地球環境科学部環境システム学科後藤研究室気付 谷津田イノベーション研究会 清川 [Email] gotoken@ris.ac.jp

★【情報5】北裏St.(ストリート)フェスティバル ’23春 3/12

小川町の駅徒歩5分圏内にある静かな裏通り「北裏通り」が会場となり、 クラフトや体験ブースが出店するイベントが開催されます。

前回(初回)は9月に開催され、地域の方や、今後小川町でチャレンジしたいことがある方などが、 得意なものを持ち寄って、とてもあたたかい雰囲気でした。

今回も、有機農家さんによる「食べ放題餅つき」や、OGAWA'N野菜の販売なども行われる予定です。

クリックすると大きく表示します。

有機農業に関する全国の話題

★【情報1】第2回オーガニック学校給食フォーラム 2/20

2月20日、304名もの参加者のもと、Webにて開催されました。300人を超えたのでびっくりしました。

誰でもどこでも出来る事として、「自分達の目指したいより良い学校給食を食材・食育・環境の視 点から見える化リスト」を発表しました。人間の身体は食べた物で出来ています。

こどもは3食のうち1食が給食です。 子どもの食は大人と意味が違います。今日食べた物が血となり肉となり、 10年後20年後の身体や健康のもととなり、人生を左右すると言っても過言ではありません。 だから、今、より良い食をこども達に食べさせたいのです。

このリストが地域で活動する皆さんの参考となり、担当者が代わっても、 より良い給食を目指して、縦に横に連携し、 こども達のために確かな未来をつくっていける第一歩になれば嬉しいです。 その模様は実行委員のお一人である郡山さんのFBに詳しく掲載されています。

郡山さんのFaceBook

<フォーラムの様子>

<フォーラム実行委員の皆さん>

<フォーラム見える化リスト>

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