小川町USPファームだより 2022年8月号
発行日:2022年8月4日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
をお届け致します。
小川町の畑情報
最近の横田農場さん
8月初日、横田農場さんへお邪魔し、横田岳さん(長男)に畑を案内していただきました。 酷暑と言える暑い日だったので、いつもよりも駆け足でハウスと田んぼ、畑を見学しました。
11時。農場へ着くと、ちょうど茂さん(お父さん)と海さん(次男)が軽トラで帰ってきたところへ遭遇しました。 あまりの暑さに「もう(外で仕事するのは)やめよう」と、作業を切り上げてきたのだそう。 ただ立っているだけでも、日差しと湿度と熱風でかなり厳しい状況です。真剣に命の危険を感じました。
まずは、ビニールハウスへ向かいます。 一つめのハウスでは、ピーマン、パプリカ、万願寺とうがらしが育っています。 ハウスの中だからか、そういう品種なのか、パプリカの丈が高いです。
万願寺とうがらしは、ここのところ上手く育ってくれなかったため種取りができず、 また種を買い直したんだとか。
隣のハウスは、メロン。 次男の海さんが毎夏チャレンジしているのを、ファーム便りでもちらりをお知らせしてきましたが、 今年は特に上出来の様子!扉を開けると、甘い良い香りがしました。
ハウスの横では、ヤギ達が木陰でお食事中で、ずっとこちらを見ていました。
畑へは軽トラで。
まず、6月の体験会で田植えをした田んぼへ。 手前がもち米の田んぼ、奥が4種類(アラキ、緑米、赤米、黒米)植えた田んぼです。
ちょうど1週間くらい前から「中干し」している最中で、田んぼの水は抜けていました。 中干しは、このくらいの時期に一度行うもので、目的は土の中のガスを抜くため、 分けつ(※)をストップするため、などいろいろあるそうです。
※ 分けつ(分蘖) = 株が育つとともに根元から新しい茎が生えてくること。 あまり分けつしすぎて葉が茂ると、根元の葉が弱るなど逆効果になるそう。
隣は、7月に体験会で大豆まきをした畑です。
発芽率が良いようで、綺麗な緑色の列になっていました。 間を除草している畑もあります。これは「中耕(ちゅうこう)」といって、 このあと行う「土寄せ」をよりやりやすくするための一手間なのだそう。
こちらは何もしていない畑。こちらもまもなく手をつける予定とのことです。
続いて、こちらはナスが数種類。 毎年のことながら支柱が綺麗に並んでいて、眺めて楽しい畑です。 ナスも立派なサイズがたくさんなっていました。 中にはカメムシに吸われて収穫前にダメになってしまうものもあるそうで、 そういうものは通路にはねられていました。
また、苗が育たず空いてしまった箇所にはバジルが植えられていました。 バジルは、ナスの生育を邪魔しにくい植物なので、このように余った空間で育てることができるのだと、 岳さんが教えてくれました。
よく見ると、列の先頭にはマリーゴールドらしきオレンジ色の花の植物が生えています。 除虫効果を狙ってのことでしょうか?
隣には、ゴマも薄ピンク色の花を咲かせていました。
間隔を大きくとって植えられているのはトウガン。 沖縄の品種で、小玉だけどたくさん収穫できるのが特徴なのだそうです。
隣には小粒でいろんなお料理に使える、黒千石大豆。 青山在来大豆よりも遅くまいていて、まだ小さかったです。 … にしても、この熱そうなな乾いた地面! 写真で伝わるでしょうか? よくこんなに小さな苗が枯れずに、煮えずに、耐えているなと思います。
最後の畑に向かう途中に、緑肥づくりをしている場所があったので見せていただきました。 もさもさ生えているのは、タカキビやクズ大豆。 これらが大きく育ったら、畑にすき込んで栄養にするのですね。
写真撮影用にお客さんにニンジンを頼まれたそうで、草の中から良さそうな物を選んで数本抜きました。
最後の畑は、オクラとネギ。
草丈は想像していたオクラよりも低いのですが、大きな花と、立派な実がついています。 木の背が低い方が、実が硬くなりづらいそうですが、風景としては不思議な感じでした。
ネギは、夏ネギや下仁田ネギ、在来の青山仙本ネギの3種類が育っていました。 株の太さや分けつ具合、葉っぱの色などが少しずつ違うのですが、わかりますか?
時刻は11時50分。流石に暑くなってきたので、急いで自宅の方に帰ります。
無人販売スペースに夏の名物「青山とげ太郎きゅうり」があったので、 その場で水分補給にいただきました。
年々暑さを増す夏。水やスポーツドリンクだけでなく、 旬の野菜で夏に必要なミネラルも摂取しつつ、水分を補なっていきましょう!
今月も、案内いただいた横田農場さん、ありがとうございました。
【シリーズ】小川町今昔物語(第5回)
「◯シェおがわ」に出店されている「Kinomichi」の早川有介さんは、 今から2年前に東京から小川町に越してきました。
元大手通信会社で顧客対応の仕事をされていたのですが、 サラリーマン時代も木工が大好きで、趣味が高じて、いろいろなインテリア作品を作っていたそうです。
小川町には友達との縁で引っ越してきました。 初めて周囲の里山を見た時、木工をやる者として木工の資源がいっぱいあり、心惹かれワクワクしたそうです。
そんな時、近所の人からクーラーの室外機の台座を直して欲しいと頼まれました。
大工さんにお願いしようとしても大工さんが見つからない。 大工さんに頼むほどではないけど、無いと不便。そういう事ってありませんか?
玄関に靴を履くための台が欲しい時、自分サイズの台があったらどうでしょうか。 高さ、幅が自分にぴったり。気持ちいいでしょうね。 自分の為だけに作られた物って、使い易い。それ故に愛着もわきます。
そして、暮らしの中の木工品って、温かみがあって、心をほっこりさせてくれます。 それをきっかけに、日常の暮らしの中にある不便などを木を使って直す「ご近所の便利屋」さんという存在になりました。
<駅前の「むすびめ」に納品したマルシェ台>
今では使われなくなった古い廃材や地元の工場に眠っている歴史ある材料を調達して、 家具や木工品を作っています。
小川町には、職人さん達がどんどん引退していき、活用方法がなくなった部材がまだまだたくさんあります。 周囲の里山に行けば、木がふんだんにあります。 これらの素材の持つ良さを活かして、暮らしを豊かにするこだわった作品つくりを目指しているそうです。
困り事を解消してくれ、 自分だけに合うものを作ってくださる「Kinomichi」早川さんのWebページがありますので、ご覧ください。
地域の不便を地域の資源を活かして仕事にしていく、 そういう様々な分野の「便利屋」さんが生まれ始めています。 人から必要とされ、助け合う社会は生きていくのが楽しくなります。 ぜひ多くの人に、そんな小川町に触れて欲しいです。
次回は小川町の「気になるあの場所」を再訪してみたいと思います。"どんな気になる"があるのでしょうね。 ミニコミ紙「おがわまちマップ」9号からです。
今月の小川町の話題
★【情報1】農業体験会「大豆まき」のレポート公開中!
7月9日土曜日は今年2回目の農業体験会でした。内容は、大豆の種まきです。
今日のお便りの冒頭記事で、発芽の調子が良いとお伝えしましたが、 種をまいた日は晴れ続きで土が乾いていて、これでちゃんと芽がでるかなと心配しながら作業していました。
オープンな告知はできなかったため、来られなかった皆さんには、 レポートで当日の出来事をお伝えしたいと思い、写真多めの記事を書きました。 特に、今回はカメラが仕事にもなりつつある横田農場の兄弟お2人の写真もお借りしたので、 見応えのある内容になっているのではと思います!
作業したのは、3枚の畑。 慣れたメンバーが多く、手際よくまいていったので、なんと午前中で完了しました! 今回嬉しかったニュースは、3〜4年前まで親子で通ってくれていた男の子が中学生になり、 なんと一人で電車に乗って戻ってきてくれたこと! 途中、道に迷って横田さんが迎えに行くなんてシーンもありましたが、心意気に感激しました。
次回は、人気回「稲刈り & 枝豆収穫」を10月に予定しています。 コロナの状況次第ですが、皆さんにお知らせして賑やかにできることを祈っています。
★【情報2】第74回小川七夕まつりは大賑わいでした
7月23日、24日の週末は、小川町は七夕祭りでした。
埼玉県内の多くの小学校が和紙漉き体験に来るように、小川町は「和紙の町」として有名です。 「小川七夕まつり」は、例年、明治大正期の面影が残る中心街を広く歩行者天国にして、 色とりどりの和紙で道路沿いを装飾したり、神輿や山車が複数出たり … 年に一度のかなり盛大なお祭りとなっています。 この日は町外に出ていった学生や若い家族連れも、みんな戻って来るので、 普段の穏やかな小川町からは想像もできないくらい人も出ます。
ただ、コロナの影響で、ここ2年間はお祭りは中止に。 今年、久々に開催が決まりましたが、規模をかなり縮小した形で行うこととなりました。 コロナ対策の一つとして、飲食エリアと、それ以外のエリアが分けられたのが案外よくて、 ゆっくり本物の小川の和紙を使ったお飾りを鑑賞することができました。
US.PeaceFARM の運営メンバー4名も、当日は全員現地にいて、 OGAWA 6S(※)の取り組みで街頭ヒアリングを行なったり(小林、高橋(ゆ)、小原)、 宿泊者の受け入れをしたり(高橋(か))していました。
その時の写真を少しだけここに掲載します。 久しぶりに夏祭りの空気を味わえて、とても満足感のある2日間でした。
※小川町SDGsまち×ひとプロジェクト(通称:OGAWA 6S) 「人口減少に負けない持続可能な魅力あるまちづくり」の実現にむけ、 小川町が主催する市民参加型のプロジェクトです。今年は3年目。 町内外の有志が、5つのテーマで実行委員会をつくって活動しています。
詳細はこちらからご覧いただけます ⇒ 市民参加型『小川町SDGsまち×ひとプロジェクト』
★【情報3】「土の学校2022後期」募集のご案内
講座日時
- 第1回目:8/21(日)レイズドベッド作り、ジャガ芋植え
- 第2回目:9/4(日)大根、ワケギ植え
- 第3回目:10/23(日)収穫祭 里芋8試食)さつまいも掘り(保存)
- 第4回目:11/6(日)竹パウダー作り方講習、焼き芋(試食)
- 第5回目:12/11(日)最終回 収穫(大根、ワケギ、ジャガ芋)レイズドベッドの片付け
- 場所:
- 小川里山食農スクールエディベリ(小川町中爪280-3) [地図]
- 会費:
- 5回で29,000円
- 5,000円 × 5=25,000円 + 苗代など300円 × 5 + 保険代500円 × 5 = 29,000円
- 募集:
- 5枠(1枠・畳1枚程度の大きさを5人まで利用可能)
- 講師:
- 横田寿美子さん
- 有機農業と自然農のいいところを組み入れた身近な資源を使った栽培方法で、親子で楽しく出来ます。 土の学校を1年間受講すると「エディベリシェア畑」にステップアップします。基本の基から教えてくれます。
- 申込み:
- 2022年度土の学校(前期)募集フォーム
- 主催・問合せ:
- 小川里山食農スクールエディベリ
- (090-4453-6355 y.takahashi@tubasa-u.com 髙橋)
参考:土の学校2022年前期1回目の様子
終わった後は、畑の収穫物でみんなでご飯を食べて、 野菜の作り方の情報を交換したり、交流していきましょう。