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小川町USPファームだより 2021年6月号

発行日:2021年6月7日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子

今月号は

をお届け致します。

今月の農家さん

今年度から、毎月のファーム便りの中で、 小川町で就農または研修した多様な農家さんの畑の様子や暮らしぶり、想いを共有できたらと、 <今月の農家さん>というコーナーを新設しました。 先月は、「サンファーム高橋」さんを取材。

そして、続く今号では、 US.PeaceFARMとしては初めて「だいこんや農園」 さんへお邪魔してきました!

「だいこんや農園」(小川町原川)

だいこんや農園さんは、赤堀敬祐(けいすけ)さん・香弥(かや)さんと 2人の元気な兄弟のご家族が営む小川町の有機農家さんです。 横田農場さんで研修をされて 2012年から独立、 町内外の数カ所に分かれた畑で年中お野菜を栽培しています。 米作りもやっていて、 今年も6月に入ってからは田植えのタイミングを伺っているのだそうです。

だいこんや農園さんといえば、自給自足で丁寧な暮らしを実践されていたり、 ご夫婦共に外へ出て様々な活動をされていたり、といった印象があります。

実際に、この日も取材に伺うと、敬祐さんは猟友会メンバーとして、 とれたばかりのシカを解体する作業のために朝から出かけていて、お昼頃にお肉を担いで帰宅。 シカが増えすぎている状況にも関わらず若手不足の猟友会では、頼りにされているのでしょう。 山関係の仕事は猟に限らず、最近、冬場は薪やチップをつくることに勤しんでいるのだそうです。

シカの肉

<シカの鮮やかな肉>

香弥さんの方は、畑よりももう少し「食べる」に近い部分でご活躍。 毎年3月頃に複数回開催されている手前味噌づくり(ワークショップ)は、とても人気があり、 今年はオンラインの回も含めると、合計90名が参加、300kgも仕込んだとのこと!

また、ここ2年は、近隣市町村の小規模保育園の給食で、 お野菜提供に加え献立作成と調理までを担当されていたそうです。 その他、自主保育なども…。

<ある日の手前味噌づくりの様子>

今回の訪問では、香弥さんとあれこれお話しさせていただきました。

まずは、「食」の話題から。 だいこんや農園さんのホームページには、 季節ごとの彩り豊かなお料理の写真がずらり。 眺めていると「レシピが欲しい!」と思ってしまいます。

でも、香弥さんは「今あるものでその日のご飯を作る」のが大切とおっしゃいます。 その年、その日の畑の状態によって、何がどれくらい収穫できるかはわからないし、 もし小松菜料理ばかりが食卓に上がるということがあったとしても、 それが自然な状態なのでは、と。

加えて、今日の献立を考えて、レシピを見て、 食材を買い揃えて…という時間が実はもったいないのではないかとも。 その時間や労力を、子どもと対話するなど、別のことに充てれば、 自分も周りも幸せという香弥さんのお話に、なるほどと大きく頷きました。

香弥さんのお料理

<イベントの際に香弥さんが出されたお料理>

続いて、「農」や「暮らし」について。

だいこんや農園さんは、現在は20軒ほどの会員さんへ、 定期的にお野菜セットを宅急便や自主配達で届けているほか、 町内の自然食品店などに卸してらっしゃいます。

お野菜セットは、独立してから10年間とり続けてくれている方もいますが、 各家庭のことを考えて野菜の種類(葉物や根菜など)をバランスよく栽培して詰めていくことに 難しさも感じているとのことでした。

「広い農地が必要なジャガイモ・玉ねぎ・ニンジンなどは農家が作って、 トマトや葉物などは会員さんが自宅のベランダで栽培とかできたら、 安心な食という意味ではお互いに良いのかな…でも難しいよね」と香弥さん。 おいしいお野菜届け隊で定期便を申し込まれているみなさんのご意見も気になります。

お野菜セットの件数が今の倍以上あった時には、 忙しさで生活がガタガタになってしまったこともあり、 その代わりに、薪・チップづくり、手前味噌づくりなどにも、 より力を入れるようになったのだそうです。

コロナ流行が生き方を見直すきっかけとなって自給自足を目指す人も増えていると聞きます。 農家となったら、まず生計を立てていくことが第一になるのだと思いますが、 その中でも、当初描いていた理想の暮らしや自分たちが幸せであることを大切にしていけたら良いだろうな。 そんなことを、香弥さんのお話を聞いていて思いました。

土間から見たキッチンやリビング

<薪ストーブのある土間から、キッチンやリビングを見た一枚>

最後に、ご自宅の近くの畑を見せていただきました。

複数の農家さんの田んぼや畑が広がり、 すぐ横を車通りの多い道路が走っていることを忘れてしまうような空間です。

だいこんや農園さんの畑は少し奥に入った場所に2箇所。 マルチやトンネル、支柱が綺麗に立っています。

ズッキーニ、インゲン、トウモロコシ、キュウリ。 夏野菜が一つの畑に共存しています。 肥料を入れていないので、畑ごとに、そこの土に合った野菜を選んで育てるのだそうですが、 ここの畑は中でも作物が育ちやすい場所とのこと。

もう一方の畑では、青ナス・真黒ナス・パープルナスと札が立ったナス類。 オクラ、空芯菜、スイカなどがトンネルの中で育っていました。

この他にも、数カ所に分けて小さな畑があり、それらを合わせただいこんや農園の畑の面積は合計3町歩ほど。 じゃがいもなどを育てる広い畑は隣の深谷町にあって、通っているのだそうです。

今回取材をさせていただいて、だいこんや農園さんを、 暮らしを見つめ直したいと思っている方々に特にご紹介したいと思いました。

文字数の関係で書ききれませんでしたが、 地元産の材木など、完全に土に還る素材のみで建てたご自宅や、 「大地の再生講座」の手法を取り入れた裏庭、裏山…などなど、 ご紹介したいことがたくさんあります。 興味のある方は、 ぜひFacebookや ホームページをご覧ください。

複雑に組まれた天井

<複雑に組まれた天井。家づくりには3年がかかったそうです>

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【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(14)

いざ、何かあった時、食料がないというのは怖いです。 自分で食べる物は自分で作って晴耕雨読のような農的暮らしが出来ないか、 という夢を抱いている人に朗報です。

霜里農場では1年間住み込みで研修する制度があります。 ファームだより2021年2月号の本欄でも書きましたが、金子夫妻が結婚する時に、 有機農業の後継者を育てる「有機学校」を作りたい、という夢を語り合い、 1979年から自宅で研修生を受け入れ始めました。 それは現在でも続いており、たくさんの研修生が育っています。

研修は無償ですが、寝起きを共にして、有機農業の基本を学びます。 1年研修した後、新規就農する人、半農半Xで頑張る人など進路は様々ですが、 自分の食べる物を自分で作ることが出来る、という知識は腐ることなく、 自分を活かし続けてくれます。

最近は、近くにアパートを借りて通う人、 週に1回の人など、事情に応じて様々なケースもあるようです。

また、そこまではできなくても、 仕事を続けながら農的暮らしの有機農業の基本を身につけたいという人には、 日本農業実践学園が主催する 「農ある暮らし講座」 があります。 隔週土曜日4月~9月、10月~3月の2期に分かれて開催され、 仲間と共に情報交換しながら楽しく学ぶことが出来ます。

霜里農場も実践講座を引き受けていますので、この研修を受けることが出来ます。

参考

今月の小川町の話題

★【情報1】小川町SDGsまち×ひとプロジェクト(通称:6Sプロジェクト)」の取り組みをご紹介

小川町は、霜里農場を中心として有機農業が注目を集めていることはご存知かと思いますが、 実は、和紙や建具、瓦などの生産や、酒造りなど、 伝統的な産業が今でも残っていることでも名が知られています。 最近では、築年数が100年を超える建造物を活用する動きも出てきて、 そこを起点に、町外の小川町ファンも増えてきているようです。

このような町の状態が、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標) という観点から見ても、とても可能性があるのではないか? そしてさらに、小川町が持つさまざまな地域資源を最大限活かした "小川町らしいサスティナブルな市民参加型のまちづくり"を実現できないか?

そんなことから、小川町(役場)主催で、 2020年6月から『小川町SDGsまち×ひとプロジェクト』という取り組みが始まっています。

講師を招いて話を聞いたり、実行委員会をつくって実際に事業を組み立てたり、 といったことが主な内容です。

昨年度は2つの実行委員会に町内外の有志メンバーが参加し、 それぞれ、街中の古民家民泊を利用した「よはくのたび」、 トレッキングや焚き火など小川町の自然の楽しみ方にも焦点を当てた 「グレートエスケープ小川町(魅力体験型ツアー)」のイメージムービーを作成していました。

「よはくのたび」「グレートエスケープ小川町」のイメージムービー

今年度はさらに、 ここに「フラッグシップイベント」「シティプロモーション」の2つの実行委員会が追加されるそうです。 随時参加の機会があると思うので、興味のある方は公式SNSをフォローしてみるのがおすすめです。

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★【情報2】駅前『むすびめ』(観光案内所×移住サポートセンター)で、下里の加工品などが販売され始めました

東武東上線および八高線の小川町駅を降りて、 すぐ目の前にこの春新しくできた『むすびめ』は、 観光案内所と、移住サポートセンターが一体となった複合施設です。

使用されている建物も、大正11年創業の「二葉支店」という料亭の跡地。 鮮やかなブルーの外壁が目を引きますが、 中に入ると、当時の床や壁、梁などが活かされた気持ちの良い空間になっています。

観光案内所では、 ご飯を食べる場所、宿泊する場所、ハイキングのコースの案内などが受けられるほか、 和紙を使ったおみやげ物や手作り雑貨の販売などが行われています。

そして、5月から少しずつ、下里地区の有機農家さんのうどん、 醤油、梅干し、ジュース、お米なども並ぶようになりました! 実は駅周辺で小川町の有機野菜や加工品が購入できる場所がかなり限られていたので、 これは嬉しいニュースです。 今後も、下里に限らず、さまざまな農家さんのものが置かれていく予定だそうなので、 ぜひ、小川町にいらっしゃる機会があれば、こちらにも寄ってみてください。

里山エリアに足を伸ばして、無人販売所などにもなどにも行ってみたい方へは、 1日500円のレンタサイクルのサービスもあります。

ちなみに、移住サポートセンターでは、 「有機農家になりたい!」「子どもには自然の中で育ってほしい!」 といったニーズに応える情報も提供しているのが、小川町らしく特徴的です。 予約がなくても相談は可能なようです。

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★【情報3】100歳の巨大石蔵が里山や山林と繋がる『コワーキングロビーNESTo』としてオープン

小川町・(株)竹中工務店・NPO法人あかりえという3者の、 歴史的建物資源や文化資源等の有効活用、 森林資源を活用した地域活性化や関係人口の増加等を目的としてた連携協定と、 オーナーさんの熱い想いから始まった石蔵再生プロジェクト。

元々、絹やタバコの葉などを保管していたと言われる大正14年に建てられた大谷石の石蔵が、 スタイリッシュかつ野性味も感じるようなワークスペースに生まれ変わりました。

駅から徒歩5分ほどの場所にありますが、 中には、地元の樹齢100年の木を大胆にスライスしてできたテーブルや、 今後近隣の山から薪をつくって稼働させていく予定だという床暖房機能付き薪ストーブなど、 山を身近に感じられるようなスポットになっています。

オープン時に贈られたお花の中には、サンファーム高橋さんのカモミールの束も!

こちらも、7月までお試しでワーク利用ができるとのことで、使用料は無料。 8月以降も、1日¥1,100などで、落ち着いて作業をしたいときに気軽に使えそうです。

また、文化発信の拠点として、 音楽や映画、食のイベントなどでも使われていく予定なのだそうです。

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