小川町USPファームだより 2020年8月号
発行日:2020年8月7日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
- おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
- 『農業体験会—大豆種まき—』レポート
- 【動画】環境省ローカルSDGs—地域循環共生圏プラットフォーム—(OgawaOrganicFes2019)
- 【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(5)
- 今月の小川町の話題
をお届け致します。
おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
「横田農場さん」の畑の様子
今月は横田農場さんです!
<久々の晴れ 空にはもくもくの積雲>
長かった梅雨がやっと明けようとしています。
7月11日に「大豆の種まき」をさせていただいて以来の訪問でしたが、雨が続いたため、 サトイモなどはさらに葉が大きくなっていました。
また、体験会参加者で蒔いた大豆も無事に発芽していましたので、その様子もお伝えします!
この日は、日本農業実践学園による『農あるくらし講座』の実習日で、 5名の社会人の方々が有機農業を学びにいらしていました。
少し同行させていただきましたが、品種・栽培方法・虫害などについての質問が絶えず出て、 「◯◯はどんな花ですか?」「◯◯の葉を見たいのですが、ありますか?」と、 ネットで検索して済ませてしまいそうなことを丁寧に質問されている姿が印象的でした。
有機農家さんの多くは一軒一軒、試行錯誤しながら独自の想いや農法を持ってらっしゃるので、 簡単そうに思える質問でも、農家さんによって回答は様々に異なるのでしょう。
それでは、畑の様子をお伝えします! 先日の大豆まきの日は暗かった畑が、太陽の下で緑に光っていて眩しいほどでした。
<大きくなって黄色く熟したキュウリ>
キュウリの畑では、まず、種取り用の黄色く大きなキュウリが目に入りました。黄色くなっ た葉は取り除くのだそうです。
続いて、大豆。 発芽の調子は良いとのことで、体験会で、ぐちゃぐちゃの地面で蒔いた畑にも、 きちんと生えそろっていました。 しばらく晴れなかったため、例年より成長は遅いようですが、一安心です。
<大豆。しっかり育っています>
イネ科のものを中心に雑草も生えていますが、一面の緑で、きれいな気もします。 (写真では判別しづらいかもしれません)
<体験会で大豆を蒔いた畑>
この時期に雨続きだと「畑に除草作業をしに入れない」ということが問題だそうです。 移動中に見たネギの畑などは、雑草の丈がかなり高くなって、ネギはほとんど埋もれていました。
成長して種をつけた雑草は、その種を畑に落とすので、来年さらに生えてくる… という循環ができあがってしまうため、除草もタイミングが肝心です。難しい…。
次に見せていただいたのは、トマトとナス。
<トマトの葉。支柱が綺麗です。>
<トマトの間にバジル>
トマトは、1回目のものが天候のこともあり予定より早く終わってしまったそうで、 こちらは2回目のもの。よく探すと小さいトマトの実が見つかりましたが、まだほとんどは花です。
葉先の状態で、肥料が足りているかどうかを見分けるのだそうで、ちょうど良い肥料状態だと、 葉先が弓なりにぴーんとはるのだとか。
ナスは、たくさんなっていて美味しそうでした! 「真黒」「三豊(みとよ)」「緑なす」「牛若丸」の4種類。 写真で見比べると、かなり個性的です。
横田農場さんでは「あごひげレタス」や「青山とげ太郎きゅうり」と、 ちょっとびっくりする名前の野菜があります。 野菜の名前も調べていくと、笑ってしまうようなものも多いですね。
帰り道、10月10日に稲刈りできるであろう田んぼを覗きに。 4種類(黒米、赤米、荒木、緑米)が一つの田んぼに植えられていて、 グラデーションになっていました。
<色の違いがわかるでしょうか>
そして、そこで水路から大豆畑に水が流れ込んでいるのを発見!
<大豆畑に水が!>
<水量の調節。よく見ると「5cm」と書いてある>
まず水路と畑の間のパイプを塞いで、大元の太い水路の方を見に行きます。 水をせき止めるための板が、よくできていて、水量を数段階に調整できるようになっていました。
横田農場さんも、梅雨期間中、 消費者に届けられるものが限られていたのですが、 「トマトとバジルが出せるようになるので、もう少しお待ちください!」 「雨と日照不足で味もそんなによくなかったかもしれないけれど、 文句ひとつ言わずとってくれる会員さんは本当にありがたいと思っています」 とおっしゃっていました。
晴れたから、今日明日から忙しくなるぞ、とのこと。 お野菜もですが、農家さんも天候の変化(暑さ)に気をつけてお仕事してほしいと思います。
<最後は、巨大なアオダイショウの抜け殻!>
横田農場さん、今月もお忙しい中、ありがとうございました。
『農業体験会—大豆種まき—』レポート
前回6月の田植えが、新型コロナウイルス感染拡大の状況と、さらには大雨により中止となったため、 味噌仕込み(2月)以来の農業体験会開催でした。
7月11日(土)、20名ほど(初参加はお子さん連れ2組を含む7名)の方にご参加いただきました。
午前中は雨が止まず、カッパを着て畑の見学でしたが、お昼ご飯を挟むと午後からは雨が上がり、 めでたく皆で大豆をまくことができした。
写真の多いレポートなので、「参加したかった…」という方もぜひご覧ください!
【動画】環境省ローカルSDGs—地域循環共生圏プラットフォーム—(OgawaOrganicFes2019)
環境省が打ち出し、全国的に広まってきた「地域循環共生圏」という考え方があります。
誰でも「しる」「まなぶ」「つながる」「であう」「しかける」の5つの観点からふれられるサイト 環境省ローカルSDGs があり、 その中で、昨年USP研究所の當仲所長も登壇した「OgawaOrganicFes2019」の様子が動画で紹介されました!
⇒ 小川オーガニックフェス2019~トークステージ「SDGs×衣食住」~(動画)
⇒ 環境省ローカルSDGs - 地域循環共生圏づくり プラットフォーム -
【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(5)
小川町で有機農業を始めたのはいいのですが、課題は、作った野菜の販路です。 美味しくて安全なのですが、見た目が悪いので、市場に出しても売れません。
なぜなら、市場ではきれいでピカピカの見た目がきれいな野菜が売れたからです。 公害被害が顕著になってきた70年代ですが、人は経済を優先したからです。
この時期には不動産投機に絡んだ事件がたくさん起こりました。 本来なら異常な経済の仕組みを冷静に判断し、 日本や日本人にとって本当に豊かで平和な国作りとは どうあるべきか、再検討すべきだったのでしょう。 しかし、その検証をせず、食=農業を捨て、工業化の道を進めてきました。
金子さんはまず、小さな自給農場の建設に取り組むことにしました。 食料が無ければ人類の未来はありません。まずは食の自給の実践からです。
そこで、この農家とともに自給を目指す消費者の会員を募ることにしました。
地場消費を目指して小川町で会員を探しましたが、なかなか見つからなかったそうです。 小川町は農村地帯なので、野菜をご近所から貰う人が多かったからです。
次回はどうやって見つけていったか、お伝えしたいと思います。
今月の小川町の話題
★【情報1】2020年産下里提携米の年間予約が始まります
小川町「有機の里・下里」などで無農薬区化学肥料栽培を実践されている有機農家さんのお米を提携
三原則(全量買取・即金・農家さんが来年も作ってもいいよという価格)で契約する事で農家さんは 安心して有機でお米を作る事ができます。
消費者は提携価格という適正価格で安心なお米が手に入ります。 生産者と消費者の顔と顔の見える信頼関係に基づくwin–winな新しい仕組み作りです。
皆さんが地域の有機米を食べる事で、この美しい田園風景が守られます。 是非、安心で美味しいお米を試して下さい。
- 価格:
- 玄米5kg3400円税込(お米代+計量代+袋代+発送代+関東圏送料込)
- 白米4.5kg3500円税込(お米代+精米代+計量代+袋代+関東圏送料込)
- 申込み:
- 申込みフォームからお申し込みください
- 問合せ:
- 生活工房「つばさ・游」高橋 090-4453-6355 y.takahashi@tubasa-u.com
<稲穂の様子>
<天皇杯に輝く有機の里・下里1区集落の秋の美しい田園風景>
★【情報2】お米まめちしき
お茶碗一杯のご飯(約150g)は約3250粒
炊く前のお米の重さにすると約65g
稲のひとつの穂に約70粒実り、一株は約22本の穂がつくので、お茶碗1杯に約2.1株必要です。
田んぼでは1m2あたり20株植えるので、1m2で9~10杯分になります。
★【情報3】地元のオーガニック店紹介「マイクロブルワリー」
元大学教授だった馬場さんが、 奥様のパン作りで余った酵母から手作りビールづくりを始めたのがこのお店を開くきっかけでした。
定年まで待っていたら好きな事が出来ないと、 大学を途中で辞めて2004年小川町駅の近くに小さなクラフトビールの工場とお店を開きました。 今では、娘婿の鈴木さんが2代目として頑張っています。
昨年11月にお店を駅から徒歩4分くらいのところに移転し、 広くてとても居心地の良い場所になっています。
また、小川町霜里農場などと市民が協力し、 「ビールチャレンジ」として地場産オーガニックビールを完成させています。
店内には酵母によって醸し出される様々なフレーバーのビールたちが並びます。 「雑穀ヴァイツェン」から始めて「小川ポーター」とだんだんと進めていくとよいでしょう。
【お店情報】
- 所在地:
- 小川町大塚88-6
- (1Fが工場、2階がお店になっています)
- 定休日:
- 月/火(祝日・振替休日は休まず営業)
- 営業時間:
- Facebookページをご覧ください
- HP:
- 麦雑穀工房 マイクロブルワリー
- ご予約・お問合せ:
- 0493-72-5673
<お店の入口>
<店内の様子>