農業体験会 ~餅つき~
12月10日。晴天の下、農業体験会のご褒美回ともいえる餅つき体験を、 横田農場さんにて行いました。今回は少人数でこじんまりとしていました。
朝10時過ぎに農場に到着すると、まずは餅つき会場となるお庭をきれいにする作業から始めます。 大量の落ち葉を掃いて、コンテナに詰めて …。これも畑に使われます。
この日の無人販売所のラインナップはこんな感じでした。
今日は畑仕事も山仕事もなしで、とにかくお餅をついて食べる日!ということで、 さっそく手分けして準備に取り掛かりました。
まず、横田さんが昨日から浸水してくれていた生のもち米を研いで、 ふきんを敷いた蒸し器に入れます。少し真ん中を低くするように広げるのがコツなのだとか。
このお米は、緑米。稲穂はきれいな黒色なのですが、中身は名前の通り鮮やかな若草色でした。
お米をふきんで包んで準備が完了したら、いつもお米を炊いている釜の上にセット。 ここで蒸気が上がるまで蒸していきます。
今回は3つの臼でつくので、三段に重ねて蒸しました。
こちらは、薪割りチーム。次男の海さんに手取り足取り教えてもらいながら、 鉈(なた)を使ってくべられるサイズに割っていきます。
骨も切れるような刃物なので、みんなで見守りながら慎重に行いました。
こちらでも。緑米が玄米なこともあり、長時間火を焚く必要があるので、たくさん薪を作りました。
割れないものは、お父さん(茂さん)に柄の長い斧で、パーンと割ってもらいました。
こちらのチームは、11月26日に体験会で収穫した大豆を干す作業をやっていただいています。
満遍なく風と日光をいきわたらせるために、表面が波打つような形で広げていきます。 写真の右上の方に、凹凸の影が見えるでしょうか。
ある程度の重さと大きさがあるため、選別できなかった草の実がちらほら混じっていて、 それを拾う作業も同時に行いました。
子どもたちは次々に発見していくのですが、一方の大人たちはなかなか見つけられずに苦戦しました。
火の番をしたり、薪を割ったり、大豆を乾かしたり …。 慣れた参加者のみなさんは、自然に自分の役割を見つけて、どんどん働いていました。
さて、お米の方が蒸しあがってきたので、いよいよ臼と杵の登場です。 男手2人がかりでも持ち上げられないくらいの臼を、転がしながら所定の位置まで運びました。 地面には藁が敷いてあります。
1年ぶりに使う道具なので、熱湯を使って丁寧に洗います。 たわしでこすって、茶色く濁ったお湯を捨てて、またお湯を入れてたわしでこすって… 何回も繰り返しました。
一臼目!ほかほかのもち米からは甘い香りがして、みんなで一口ずつ味見しました(笑)。 この状態で食べるのが、また美味しいんですよね。
お米が冷えないうちにつき終わらないといけないので、間髪入れずに捏ねていきます。 お味噌を仕込む時にいつも活躍している二人が、今回も名乗りをあげてくれました。
振り下ろすのではなく、杵を捻りながら、お米の粒々を臼に擦り付けて潰します。 1箇所やったら、少し回って位置を変えてまた同じ作業。コツを掴むのが難しい動きです。
<撮影:横田海さん>
粒がなくなって滑らかになったら、いよいよ手返しが入ってお餅つきです! 杵のサイズが大小2種類あるので、力のある人ない人関係なく、みんなで代わる代わるつきました。
餅つきが初めての方もいましたが、誰も臼の縁を叩くこともなく、上手につけました。 杵の重さを利用することができると、いい音がして、拍手と歓声が上がっていました。
完成したお餅は、まずは、お昼ご飯用にちぎりもちにしました。お醤油も横田農場さん自家製。
大根おろしは白と赤の2色を用意。 赤い方は、すりおろしてしばらくすると茶色っぽく変色するようです。 参加者のアイディアで、ワインビネガーを少し垂らして、変色を軽減できないか試しました。
納豆も。ネギを入れてくれてあるのが流石の横田さんでした。 よく粘っている瞬間を写真に収めました。
他にも、きな粉餅や、搾る前のお醤油である「もろみ」、参加者お手製のみたらし、 ゆず味噌、のり … 。たくさん作ったのに、瞬く間になくなっていきました。
<撮影:横田海さん>
温かいお雑煮用のお汁も用意してくださっていたので、お皿の分に加えて、 さらに一人あたり少なくとも2〜3個は食べました。
「家じゃこんなにたくさん食べられないよね」とあるお父さんがおっしゃっていましたが、確かに、 みんなでついて丸めて、こうやって青空の元集まって食べると、 次から次へと食べられてしまうのは不思議なものです。
大人は、麦雑穀工房さんの雑穀ビールをいただきました。 まだここから2臼ありますが、お餅が柔らかいうちに、ということで、一旦全員で休憩です。
二臼目は大福にしました。自家製あんこはほんのり甘くて、豆の味もして美味しかったです。
取り粉として、今回は米粉を使いました。 お餅がベタベタしないように粉をつけながら作業します。 かといって、粉をあまりつけすぎると、接合部分がくっつかなくて餡が出てしまったり、 一度ついたシワが消えなくなったり … 。一発勝負の大福づくりに、みなさん真剣でした。
隅の方で、恒例の焼き大福をしている参加者も。臼を洗ったり、 手返しに使ったりするお湯を沸かすために七輪を出していたのですが、 お餅つきもひと段落したので、焼き台に返信。
皮がパリッと香ばしくて、食べると中身は柔らかくて、これもまた良いです。
さて、最後の臼は、生米の時に綺麗な色だった緑米。 蒸された緑米は、色味が淡くなって、少し茶色がかっていました。
玄米なので、白くなるまで精米された1〜2臼目よりも、滑らかにするにはパワーが必要です。 こちらは、最初にこねるのを、海さんやベテランの男性参加者に担当してもらいました。
<撮影:横田海さん>
流石に手際も良く、時間はかかりましたが、弾力が強いつるつるのおもちになりました。 味が気になるので、最初は何もつけずに食べてみましたが、 心なしか白米のお餅よりも甘みがしっかりしているように感じました。
<撮影:横田岳さん>
緑米のお餅は、お正月の準備として、お供え餅にしました。下の段と上の段と、 2つのお餅を丸く整えて、それぞれ家に持って帰りました。
<撮影:横田岳さん>
みなさん満腹な集合写真。幸せそうです。
年が明けたら、二月にお味噌作りがありますが、年内に会うのはこれが最後。 「良いお年を!」と挨拶しあって、各自帰路につきました。
今年もまだ広く参加募集ができず、レポートで状況をお伝えすることしかできませんでしたが、こ こから来年度に向けて、また現地の農家さんと共に、方針を決めていきたいと思います。
そんな中、参加してくださった方々、横田農場さん、ありがとうございました。 皆さんに、また素敵な一年が訪れますように。