小川町USPファームだより 2022年1月号
発行日:2022年1月7日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
をお届け致します。
最近の横田農場さん
12月29日、年の瀬らしく静かな横田農場さんへお邪魔しました。 農場は26日からお正月休みに入っていたそうですが、 特別に長男の横田岳さんに畑と山を案内していただきました。
「ちょうど、このあいだ(体験会で)脱穀した大豆を干してるよ」と裏庭に通されると、 一面にむしろが敷いてあり、その上に大豆が広がっていました。
お庭で昨年梅拾いをさせていただいた立派な梅の木。 枝の先のふくらみに、春を感じます。 この日は、畑をぐるりと一周する他に、落ち葉がたくさん落ちた山へも連れて行ってもらえることになりました。
畑はすっかり冬らしくなり、野菜も寒そうな様子でした。 こちらは、なばな。 覗き込んでみると、もうすぐ収穫できそうなつぼみがいくつも見られました。 隣には、こちらも収穫をひかえたかき菜。かき菜の方がまだ時間がかかりそうです。
続いて、葉物野菜の畑。 小松菜、水菜などが見えますが、霜に当たって、枯れている部分も多く見られます。 この頃は小川町のあちこちで、氷点下5℃を下回る日もありました。 体温がある人間でも耐えられない寒さなのに、まだ緑を残している野菜はすごいですね。
こちらは、カラフルなカブと大根。天王寺カブ、津田カブ、本紅赤丸カブ、万木(ゆるぎ)カブなど。 14時半頃でしたが、既に日が傾き始めていて、カブの葉っぱが美しかったです。
田植えした田んぼの方へ場所を移し、お次はキャベツ。
10月末に取材した際にすごい品種名で気になっていた「成功」。 見事に大きくなっていました。 (2枚目の写真は10月。まだ小さくて、トンネルの中です)
ブロッコリー。横田農場さんでは、茎ブロッコリーを作っているのだそう。 普通のブロッコリーよりも、一回収穫した後に脇芽が出やすいのが特徴と教えていただきました。
こちらの大根は、一本一本根元にこんもり土が盛られています。 やはり、大根も地面から出た首の部分が凍ってしまうので、このようにしているのだとか。 「まだ途中なんだよね」と、スタッフが写真を撮っている間も、岳さんは土をかけていました。
麦も芽が出ていました。
1枚目の写真は「農林61号」。 中力の小麦粉で、うどん用に使われることでよく名前を聞いていました。 長く、埼玉県の奨励品種としてたくさん栽培されていたそうですが、 平成26年に、病気に強く収量も見込める「さとのそら」という小麦に転換され、 今では作る農家も減ったとのこと。
ただ、農林61号は香りや食感がとても良いので、横田農場さんでも作付けされていますし、 小川町の隣の嵐山町では、”幻の小麦「農林61号」復刻プロジェクト”なども展開されています。
2枚目は「ハナマンテン」。こちらは製パンにもつかえる強力の小麦粉。 意外と、町内では貴重な強力粉です。
ネギです。 1枚目の方は、おばあさまから受け継いでいるものだそうで、この地区ではよくつくられる品種。
一見すると、普通のネギより太く短いので、深谷ねぎに似ているのかなと思いましたが、 その横で育つ本物の深谷ねぎと比較すると、葉は細く、根元も分かれたり細くなったりしている点で、 全く異なることがわかります。(2枚目)
夏までインゲンが栽培されていたアーチの下には、今度はエンドウがまかれていて、 少しずつ芽が出てきていました。
キュウリや豆類に使う支柱とネットは、このようにツルを片付けずに、 別の品種を根元にまいて連続で使用することもあるのだそうです。
畑は、これで一周しました。最後に、昨年体験会でも落ち葉掃きに入らせてもらった山へ。
落ち葉がどっさり落ちていて、歩いていても、どこが地面かわからないくらいでした。 この落ち葉が、また畑の肥料や苗床の土となり、おいしい野菜が作られていきます。
岳さんに「2021年はどんな1年でしたか?」と質問しました。
すると、「うーん… 」としばらく考え、 「大きく変わることもなく、いい年だったかな…? 秋冬の写真展が忙しかったくらい」とのお返事。 なんとなく、畑についてのコメントが返ってくると予想していたのですが… 。
でも、少量多品目で栽培されている横田さんですから、 一つの作物がうまくいかなくても代わりに他の作物がよくできたりと、 「今年は豊作だった〜!」「今年は全くダメだった… 」 と両極端なことはないのだろうな、と気がつきました。
年の終わりのちょっとした発見。面白いですね。
横田農場さん、今回もありがとうございました!
1年間取材でお世話になった農家さんたち
2021年4月から、小川町のいろいろな有機農家さんへお邪魔して、 畑のことや暮らしのことなど様々なことをお聞かせいただきました。
年末にお会いしたり、お餅つきにお邪魔したりしましたので、取材のその後を少しだけご紹介します。
サンファーム高橋 さん
3月には、落ち葉掃きやじゃがいもの植え付けを体験させていただいたサンファームさん。 カモミールを使ったバーム作りやカモミール定植などの自主企画と、 小川町のまちづくりプロジェクト『OGAWA 6S』の中でのイベントでも大活躍の一年でした。 年明けには、コワーキングロビー NESTo のもちつき大会も、農場で予定されているようです。
だいこんや農園 さん
取材でお邪魔した5月末の時点では、赤堀さんのお子さんは男の子2人兄弟だったのですが、 その後、夏に3人目の男の子が生まれていました。 おいしいお米や野菜を食べ、野で遊び、すくすく育っていくことでしょう。 だいこんや農園さんも、1月2月… と、味噌づくりワークショップがひかえています。 年末は、たくさん畑を借りているので、地主さんへの挨拶回りにしっかり時間をかけるのだそう。
河村農場 さん
取材の際に、近くの研修卒業生たちと機具の貸し借りをしたり、 人手が必要な作業は助け合ったりしている、と伺っていましたが、 年末のお餅つきにご招待いただいたとき、実際に何名かの方とお会いできました。 研修時期も様々ですが、お餅をつく間に、河村さんのところに入れ替わり立ち替わり集まって、 畑の相談をされている様子がみられました。
風の丘ファーム さん
冬は、お餅やにんじんジュースなどの加工品もつくって販売される風の丘ファームさん。 お餅は、青山在来が入った豆もちが大変人気で、来年はもう少したくさん作ろうとおっしゃっていました。 また、小川町のレストラン atelico(アテリコ)さんとのコラボで「柚子胡椒」の瓶が発売され、 町内で話題になっています。29日はスタッフ・研修生全員で大掃除をしたとのことです。
【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(22)
金子さんの座右の銘として「一掴一掌血(いっかくいちしょうけつ)」という言葉があります。
この意味は「一度掴んだら血が滲んでも離すなという教え」です。 中国の思想家・王陽明の言葉で、何事も性根を入れて真剣に取り組め、ということです。
金子さんは小さな時からお父さんから論語を学び、そして、有機農業に出会い、 これを生涯の仕事と決意され、一掴一掌血の思いで歩んでこられました。
2022年を迎えるにふさわしい言葉として金子さんがいつもお話しされていますのでご紹介します。
雑誌「至知」で紹介されています。
⇒ 到智出版社「カリスマ有機農家・金子美登の生き方を変えた安岡正篤師の教え」
王陽明について
⇒ 【王 陽明】の名言集|名言まとめドットコム
今月の小川町の話題
★【情報1】小川のおいしいお店紹介「麺やHikari(めんやひかり)」
ラーメンと言えば、皆さんはどんな味を想像するでしょうか。
小川町の「麺やHikari」さんは、完全無化学調味料、つまり化学調味料を使っていないのです。 通称『無化調』というそうです。(笑)
麺は全粒粉を使用し、 野菜類は全て地元小川町の無農薬有機栽培または無農薬無肥料栽培の野菜を使用しています。 トッピングの野菜は常に旬のものを使用しているため、メニューが季節で変わります。
私はトマト塩ラーメン(850円)をお勧めします。 無化調なので、スープはあっさり、全部飲み干しても胸焼けしなかったです。 また「煮干しそば」も、これまた、あっさりですがコクがありお勧めです。
Facebook を見ると判りますが、いろいろな物を作っていらっしゃいます。 小川町は周囲を山に囲まれた 1300 年の和紙の伝統を誇る古い町ですから、食材やアイデアが豊富にあります。
小川町の様々な体験プログラムが用意されています。 是非、HPやFacebookを覗いて、さらには LINE登録をしてみては如何でしょうか。
【お店情報】
- 所在地:
- 埼玉県比企郡小川町腰越40-4
- 営業日:
- 月・火・水・木・土・日曜日(金曜定休)
- 営業時間:
- 12:00〜14:00, 17:00〜20:30
- Facebook:
- 麺やHikari
★【情報2】小川町の笠山山頂からの初日の出
空気が澄んでいれば、スカイツリーも見える標高842mの笠山。 関東平野から、今年も見事な初日の出が見られました。 2022年が良い年でありますよう。