小川町USPファームだより 2020年10月号
発行日:2020年10月9日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
- おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
- 【ご案内】2020年度 後半の農業体験会のお知らせ
- 【ご案内】おいしいお野菜届け隊、秋冬の募集
- 【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(7)
- 【情報】新米!2020年産下里提携米、出荷です
- 今月の小川町の話題
をお届け致します。
おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
「横田農場さん」の畑の様子
今月は横田農場さんです!
カラッとした涼しい日も増えて、夏の終わりを感じます。 猛暑の中でのマスクは辛いものがあったので、少しほっとしますね。
小川町では、ここ数週間は町のどこを歩いていても、金木犀の香りがしています。 また、田んぼの畔にはたくさんの曼珠沙華が咲き乱れていて、散歩やジョギングが楽しめるシーズンに入ってきました。
<横田農場さんでもサトイモの横に>
10月頭、横田農場さんにお邪魔してきました! 10月10日(土)に稲刈り&枝豆収穫の体験会を控えているので、田んぼや大豆畑の様子が気になります。
本日も、長男の岳さんのアテンドで、ぐるっと畑を見せていただきます。
<インゲン>
最初に目に入ってきたのは、インゲンの黄色い花。 よく見ると、花びらの中に小さなさやが! 美味しそうに成長しているものもなっていました。
その隣は、サトイモの畑でした。 背の高い場所と低い場所がありましたが、7月の農業体験会の時に比べると、大きくなっていました。 土の中も順調に育っているでしょうか。
<黒千石大豆>
こちらは、小さな豆がびっしりついています。 黒千石(クロセンゴク)大豆という種類で、ご飯と合わせて炊いたり、サラダに入れたり … いろいろな方法で美味しくいただけるそうです。 一度、農業体験会の昼食でいただいたことがありますが、甘みや豆感がしっかりしていた記憶があります。
続いて、こちらは皆で種まき体験をした青山在来大豆。 黒千石と同じく、こちらも豊作の様子。 たくさんついた実は、もう少しで枝豆として食べごろかな、と仰っていました!
<草が多いという大豆畑>
<こちらは草少なめ>
大豆畑の何枚かは、背の高い雑草がたくさん生えていました。 今年は特に多いそうで、乾燥に強いメヒシバが目立ちました。 小さい時の処理がうまくいっているという畑はやはり綺麗でした。
<葉物のトンネル>
<トンネルの中の白菜>
<小さなルッコラ>
以前、古代(スペルト)小麦の畑だった場所には、トンネルが並び、 その中で葉物野菜が育っていました。 サラダ菜や山東菜、小カブ、大根、白菜など … 良い感じの成長具合だそうです。
ベビールッコラを味見させていただきましたが、小さいのにとてもしっかりした香りと辛味でした!
<出荷後の孔雀草の畑>
横田さんの畑に隣接しているお花の畑は、孔雀草(クジャクソウ)です。白や淡い紫の花が咲いていました。 孔雀草はもともと野草でしたが、昭和30年代に、小川町の方が販売するために栽培を始めたのだそうです。
<くすんで見える穂がスズメにたべられた部分>
金色の稲穂が見えてきました。 写真の田んぼでは、一部をスズメがつついたようで、その部分だけ茶色っぽい穂になっています。
<稲刈りをする田んぼ>
<8月取材時の同じ田んぼ>
<ノゲが長く、見た目が美しい荒木>
<ニンジン畑の草取り>
帰りがけに、ニンジンの畑に寄ると、 茂さん(お父さん)が職人技で草取りをされていました。 とにかく、例年に比べると雑草の量が多いそうです。
<二度目のヘビ。おそらくアオダイショウ?>
その横で、取材中二度目のヘビ登場で、岳さんは行方を追いかけています(写真)。 他の方の田んぼでは稲刈り中にマムシ(毒ヘビ)も出てきたと聞きました。田んぼに狩りにきているのでしょうか?
横田農場さんの畑の様子は以上です。 今回は軽めの内容ですが、またすぐに体験会のレポートもお届けしますので、ぜひそちらもご覧いただけたら嬉しいです!
横田農場さん、いつもありがとうございます。
<秋まき最後のカブが発芽していました>
【ご案内】2020年度 後半の農業体験会のお知らせ
農業体験会の今後の予定をお知らせします!ご興味のある方は、ぜひ一度ご参加ください!お待ちしております。
- 11/28(土)大豆収穫
- 2/13(土)味噌つくり
- 3/ 6(土)温床つくり(予定)
過去の様子などはこちらからご覧いただけます ⇒ 農業体験会
【ご案内】おいしいお野菜届け隊、秋冬の募集
2020年11月~4月のおいしいお野菜届け隊の募集ページを公開しました。 半年間、定期便で小川町の有機農家さん(※)のお野菜セットが届きます。
※ 現在は、こちらのお便りで毎月交代でご紹介している「サンファーム高橋さん」「横田農場さん」のお野菜となります。
【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(7)
金子さんは有機農業によって我が家の自給を果たし、 その延長線上で10軒の消費者の台所の自給をも考えようという、会費制自給農場の構想を始めました。 それは現在も続いています。
農作業も会員の皆さんが手伝ってくれれば、辛い農作業もすぐに終わり、楽しいものとなりました。
楽しい事もありましたが、続けていく中で様々な課題も出てきました。
まずは会費が高いか安いかという問題です。 農業は天候に左右されますから多いときもあれば少ない時もあります。 スーパーや八百屋の価格と比較する人が出てきたのです。 有機農業では、生産者と消費者が提携する場合、10年くらいの長い目で損得を考えて欲しいものです。
また、援農にいくのだから会費は安くなってもいいのではないかという問題が出てきました。 最後には農家を支えているのだから、田畑を分けてもいいのではないかという問題まで出てきました。
こういった問題が出てきたため、会費制農場の試みは2年で終わってしまいます。
この反省から金子さんは「お礼制自給農場」に発展させました。 今度は農場対消費者1軒の関係を積み重ねていくことにしたのです。
野菜が高いか安いかという問題から、野菜に値段をつけるのではなく、 お礼制という消費者自らが判断したお礼(金額)で支払う形にしたのです。 農家が消費者に野菜をプレゼントしますから、それをお礼という形で返して下さい、というやり方です。
農村には昔から、何かを貰ったら相手が損をしないように何かを差し上げるという、共同体としての形がありました。 お礼制の原点は村の共同体のなかから出てきた考え方だと思います。 金子さんは野菜に値段をつける心の痛み(丹精込めて作った野菜に高い、 安いもないから)から解放されたとおっしゃています。
2020年の現在、世界の貧富の差が激しくなる事から「ギフトエコノミー」の考えが提唱されています。 金子さんは40年前からこの考え方を実践していたのです。 いうならば、日本には昔から農耕民族としての「結」というギフトエコノミーの考え方が根付いていたのです。
人類がこれまで経験した事がないコロナ禍という事態ですが、 日本が古来から培ってきた「結」というギフトエコノミーの考え方を、 これからの未来への指向として思い返してみる機会なのではないかと私は考えます。
次回ではこの「お礼制」が現在までどのような発展をとげてきたかを振り返ってみたいと思います。
【情報】新米!2020年産下里提携米、出荷です
今年は梅雨が8月上旬まで続き日照不足が心配されましたが、その後は猛暑でも何とか持ち直しました。 今年の作付けは例年並みとの事です。 お米が一年で一番美味しい新米のこのシーズン。是非味わって頂きたいです。 日本人に生まれて良かったと思うことでしょう。
OKUTA下里提携米はまだ少し余裕があります。
申込みは ⇒ 2020年産下里提携無農薬無化学肥料栽培米の年間予約のご案内
<釜炊きご飯>
今月の小川町の話題
★【情報1】10/18(日) 小川町中爪の「エディベリの森(仮)」の未来を林業家・若山卓氏を囲んでみんなで語ろう」のご案内
小川里山食農スクールエディベリでは、今年、新たに子ども達が里山体験の出来る場所として エディベリの近くの里山をお借りしました。
ここをどんな場所にしていくか、林業家・若山卓氏をお迎えして、現地を見ながら、皆さんで夢を語りたいと思います。
里山は食とエネルギー生産の場です。ここを活用していく事が確かな未来を創っていくと考えます。 子ども達は未来です。未来を担う子ども達が心身ともに健やかに育って欲しいと願い、体験の場を創りたいです。
里山保全や育林教育、子どもの食農体験に興味のある方、一緒に考えてみませんか。夢を語り合ってみませんか。
講師:若山 卓 氏
埼玉県神川町で林業を営み、松田マヨネーズ・ななくさの郷代表。かつ、
「かんな馬の会」代表でもあり画家でもあるという多彩な顔を持つ方です。
<講師・若山卓氏>
Facebook ⇒ 若山 卓
- 時:
- 10月18日(日)13:30~16:00
- 所:
- エディベリ 埼玉県比企郡小川町中爪280-3
- ⇒ 地図
- 車で来られる場合:小川嵐山インター下りて3分ほどです。
- (駐車場は車が6台停められます)
- 会費
- 無料
- 申込み
- 以下からお申し込みをお願いします。
- 主催・問合せ
- NPO生活工房つばさ・游
- 小川食農スクールエディベリ 髙橋優子 090-4453-6355 y.takahashi@tubasa-u.com
★【情報2】10/31(土) 小川里山食農スクールエディベリ企画『月夜に焚き火で芋煮会』のご案内
満月を見ながら、小川町のオーガニックの地酒、ワイン、ビールを飲み、 焚き火にあたりながら小川町の有機野菜で作られる「小川流芋煮」で体を温め、おしゃべりに花を咲かせましょう。
美味しいサプライズも用意してありますよ~~
詳細 ⇒ エディベリHP
★【情報3】霜里農場の秋
今年も天候不順に悩まされましたが、霜里農場の畑は秋冬野菜の準備で色とりどりになってきました。
また、夏野菜の種採りも始まっています。 農家は種採りをするのが当たり前と思っている方が多いと思いますが、 種を100%自給するのは難しい状況になっているのです。 それでも、霜里農場では出来る限り自家用種取りを続けています。
霜里農場の畑の様子
<霜里農場の様子>
<玉葱>
<苺の苗>
<秋種採り用おくら>
★【情報4】地元のオーガニック店紹介「藤屋精肉店」のご紹介
小川町役場の近くに、古くからカレーコロッケを看板にしている「藤屋精肉店」があります。 このお店で作っているのは、小川町下里1区集落で栽培された無農薬無化学肥料栽培(有機)の ジャガイモを使ったコロッケです。
小川町内のお店が積極的に小川町産有機農産物を使ってくれる事例が増えてきています。 どんどん増えていくといいですね。
<藤屋精肉店内メニュー>
⇒ 藤屋精肉店
★【コラム】このきのこの名前は?
答え:ムラサキヤマドリタケ