小川町USPファームだより 2020年11月号
発行日:2020年11月10日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
をお届け致します。
おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
「サンファーム高橋さん」の畑の様子
気温がぐっと下がる夜も出てきて、ストーブやこたつを出された方も多いかもしれません。
小川町は、外秩父の山に囲まれて小川盆地と呼ばれており、夏は暑く、冬は寒い地域です。 近年は暖冬続きのようですが、今年の冬はどうなるでしょうか。
<栽培されているコスモスが夕陽に映えます>
10月最終週の夕暮れ時に、サンファーム高橋さんの畑の様子を見学させていただきました。 そして、ちょうどハーブティー用のレモンバームとペパーミントの収穫をされるとのことで、 少しだけ作業もご一緒できました。
今月は、ハーブの収穫から乾燥と秋冬野菜の様子についてレポートします
<レモンバームを鎌で収穫>
お野菜届け隊で、サンファーム高橋さんのお野菜をとっている方は、 先日フレッシュハーブが届いたかと思いますが、こちらがその収穫風景です。
膝丈ほどのレモンバーム(とミント)を鎌やハサミを使ってカットしていきます。 ちょうどこの時期は、ふわふわの毛が生えた雑草の種がハーブの葉についていて、なかなか取れません。
<この状態で畑での作業は終了。残りは御宅で;>
種を払いつつ、コンテナ一杯収穫しますが、この後、 ご自宅に帰ってから夜な夜な他の雑草やゴミなどを取り除く作業があるそうです。
ハーブは生命力が強くて栽培自体は手がかからないイメージがありますが、 そのハーブのみを収穫したい場合、こんなに時間がかかるものなのですね。 これで、乾燥してかさが小さくなると思うと、 なおさらお茶として店頭に並ぶまでの長い道のりを感じます。
<天日干しで乾燥させます>
こちらがペパーミント。雑草を抑えるためにマルチを敷いて育てていますが、 ミントにとっては露出した土の上の温度・湿度が好ましいようで、 畝を大きく飛び出して、結局雑草たちと共存していました。
<マルチをはみ出したペパーミント。良い香り。>
さらに、サンファームさんでは、5~6種類のミントが栽培されているということで、 一通り触って、匂いを嗅がせていただきました。
どれもミントの香りではあるものの、嗅ぎ比べてみると、それぞれ全然違って感じるのが不思議です。 お茶にしたら、また楽しめそうですね。
<パイナップルミント>
<スペアミント>
<ブラックペパーミント>
<マウンテンミント>
実際に収穫をさせていただきましたが、しばらく両手がハーブの良い香りでした。
サンファームさんは、ハーブティー用に依頼があった種類を栽培されているそうです。 みなさんは、どんなハーブティーを飲まれますか?
続いて、お野菜の方を見学します。
<黄ニンジン。これから大きくなります。>
<ニンジンの間で育つハクサイ>
まず、ニンジン、ハクサイ、ダイコンです。
先月の横田農場さんのレポートでもお伝えしましたが、今年の秋は雑草が多く、 野菜の苗が成長する前に埋もれてしまうケースが多かったそう。
<一番右は、草に隠れてダイコンが見えない>
特にダイコンは、まき直しをしたり、日を分けて種まきをしたりされているとのことでした。 上の写真の畑は、左から5日ずつ遅らせて種をまいたという場所です。
<ブロッコリー畑>
ブロッコリーの畑では、1種類の雑草が大量に生えていました。 水のたまりやすい場所なので、恐らく湿気に強い種類だけが残ったのだと思われます。
先ほどのハーブの収穫を振り返ると、「こちらの草の方がよっぽど収穫が楽そう」と、 高橋さんは冗談交じりにお話しされていましたが、…見事でした。
<タマネギの苗。もう少し成長したら移植です。>
<カモミールの苗ももうじき植え替えだそう>
畑の一角では、タマネギとカモミールの苗が育っていて、植え替えを待っていました。 タマネギは全て手でまかれたとのことでしたが、きれいに整列していました。
カモミールは来年は少し面積を少なくするそうです。
<紅芯大根など3種類のダイコンが並んでいる>
<じゃがいもは11月末頃目標。順調そう。>
<可愛らしいミニゴボウ>
そのほかにも、秋冬野菜は、チンゲンサイ、春菊、サトイモ、サツマイモ、ゴボウ、カブなど、 夏からの野菜は、ナス、ピーマン、オクラなどが少しありました。
<シシトウガラシ>
<ナスの"垂直仕立て栽培"について教えてもらう>
11月の頭はかなり冷え込む予報が出ていますが、霜が降りてしまうと、 お野菜もハーブも枯れてしまうものが出てきてしまうそうです。 もう少し寒さは待ってほしい! 畑を見ていたら、そう思わずにはいられませんでした。
もう30年も40年も有機農業を営んできた農家さんでさえ、ここ数年の天候には頭を抱えていると聞きます。 また、「もう作付けの計画表をつくるのをやめた」という声も。
US.Peace FARMは、直接 有機農家さんと繋がり、農業体験で畑にお邪魔することもあります。 気候など環境の変化と、新型コロナウィルスによる経済の変化、どちらの影響も受ける農家さんを応援するためには、 私たちも応援の仕方を更新していかなければならないのかもしれませんね。
<サンファームの高橋ご夫妻>
都内の方必見! 期間限定で『横田農場』野菜のデリが食べられます!
年明けに企画されていて延期になってしまっている「シェフズテーブル」の代替イベントとして、 学芸大学駅近くの『オーガニックレストラン&デリ みどりえ』さんにて、 横田農場のお野菜を使用したメニューが期間限定で並びます。
ランチやディナーにお出かけするもよし、テイクアウトするもよし。 みどりえさんは2001年から、誰もが気軽にオーガニックな食事を楽しめるよう営業されており、 根強いファンが多いお店です。
横田農場さんのお野菜をどのように変身させてくださるのか、 お料理について学びにもなりそうです! また、詳しい日程などはFacebookやInstagramにてお知らせしますので、ぜひチェックをお願いします!
- 日時:
- 11月22日(日) ~2週間ほど
- 所:
- オーガニックレストラン&デリ みどりえ
- (東京都目黒区鷹番2-21-10 学芸大スカイスクレーパー1F)
- (東急東横線「学芸大学駅」徒歩3分)
- 時間:
- ランチタイム 11:30~15:00(LO14:30)
- ディナータイム 17:30~20:00 (LO19:30)
- テイクアウト 11:30~20:00
- 休:
- 年末年始を除き無休
その他店舗情報はこちらから ⇒オーガニックレストラン&デリ みどりえ
農業体験会「大豆収穫」開催のお知らせ
10月に予定されていた「稲刈り&枝豆収穫」は、残念ながら2年連続の天候による中止となりました。 本来なら、運動会や収穫祭など秋の催し物に最適な季節だったはずですが、近年の機構の変化を感じます。
さて、11月28日(土)は、「大豆の収穫」を行います。 7月に体験会でまいた大豆がどのようになっているか、ぜひ確かめに行きましょう! 引き続き、コロナ対策へのご協力をお願いいたします。
- 日時:
- 11月28日(土) 9:30 小川町駅集合
- 所:
- 横田農場 小川町青山1376-3
- 内容:
- 大豆収穫
詳細・参加お申込み ⇒ 農業体験会実施のお知らせ「大豆収穫 in 横田農場」
<2019年の模様>
【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(8)
理想を目指して頑張っていた金子青年に起こった現実の課題とは何だったでしょうか?
当初の会費は月27000円でした。内容は週2回の米、野菜、卵、牛乳などでした。 これで27000円/月は高いか、安いか、という問題でした。
野菜がたくさん出来る時期は市況は安くなりますので、八百屋やスーパーと比較すると、 どうしても有機野菜は高くにみられます。
また、援農にいくのだから、その分、安くなってもいいのではないか、という問題も出てきました。 さて、この課題は現在まで続きますが、皆さんはどう感じお考えになるでしょうか?
有機農業や有機野菜の価値をどうお考えになるか、是非、聞かせて頂けると嬉しいです。
(ご意見宛先:生活工房「つばさ・游」高橋 y.takahashi@tubasa-u.com まで)
残念ながら、金子さんは消費者を納得させられず、この試みは25ヶ月で終わりました。 金子さんはこの事の反省から、次のステップへと考えを深めていきます。
その考えとは?
次回に続きます。
今月の小川町の話題
★【情報1】ローカルSDGs(地域循環共生圏)ビジネスの先進的事例集にUSPファームの取組み紹介
環境省の、 小川町の有機農業を中心とした循環型社会の事例が紹介されたページに、 US.Peace FARM(USP研究所)について記載されています。
※ 最初のページ「2.埼玉県小川町(1/4) 」の図の中です。
★【情報2】小川里山食農スクールエディベリ企画「里芋掘り&芋煮体験会」のご案内
11/15, 11/23
企画1「芋掘りと釜炊きごはん@埼玉県比企郡小川町」
- 時:
- 11月15日(日)10:00~14:00
- 所:
- エディベリ 小川町中爪280-3
- 詳細:
- ⇒ 芋堀りと釜炊きごはん
企画2 小川里山食農スクールエディベリ x ばしょう菜企画
『有機の里で芋掘りと芋煮と焼き芋作り 秋の味覚を満喫!』
- 時:
- 11月23日(月・祝日) 10:30-14:30
- 所:
- エディベリ 小川町中爪280-3
<小川流芋煮>
★【情報3】「◯(マル)シェ・おがわまち」のご案内 11/29
今年は小川町のイベントも次々中止となってしまい寂しいという声が上がっていますが、そんな中、こちらの屋外イベントが初開催となります。
小川町駅周辺6ヶ所と、12店舗の参加飲食店を会場とし、町を歩きながら楽しめる内容となっているようです。建物や食文化について知ることができるツアーも企画されていますので、マスク着用の上、遊びにいらしてみては?
- 時:
- 11月29日(日)10:00~15:00
- 所:
- 小川町内各所(駅徒歩圏内)
- 詳細:
- ⇒ ◯(マル)シェ・おがわまち
★【情報4】地元のお店のエコな取り組み紹介「羽毛ふとんの打ち直し」(株)コスモクリエイティブ
これから寒くなりますので、お布団(綿、羽毛)の打ち直しをして、温かい冬を迎えませんか。 綿や羽毛は打ち直し事でいつまでも使えます。資源を無駄にせずに済みます。エコです。
小川町の(株)コスモクリエイティブさんでは、持ち込みだと料金が2割引になるそうです。
<コスモクリエイティブのお店と目印ののぼり旗>
★【レポート】小川町の秋空
雲一つない真っ青な澄み切った秋(青)空です。
<小川町の青空> Yasuhiko Chinoさん撮影