小川町USPファームだより 2020年5月号
発行日:2020年5月1日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子
今月号は
をお届け致します。おいしいお野菜届け隊 農家さん情報
夏が来たかと思うくらい暑い日があったり、かと思えば、数日前は雹(ひょう)が降ったり……。 室外に出る時間が少なくなった方もいらっしゃるかと思いますが、忙しく変化するこの気候。 畑にはどんな影響があるのでしょうか。
今月は、サンファーム高橋さんの「お野菜」と「お花」のレポートです!
<4月下旬の小川町の山の様子>
サンファーム高橋さんといえば、一面のカモミール畑とそのオリジナルハーブティーが有名ですが、 今年の春は比較的寒いので、成長が遅めになっているようです。 2年前は4月末には既に開花していたそうで、私たちの肌には僅かに感じる気温の差が、 植物にとってはいかに大きなものなのかがわかります。
本来なら、US.PeaceFARMの農業体験会でも、カモミールの収穫をさせていただく予定でした。 ぜひ、来年またチャンスを作っていただけたら嬉しいですね。
<カボチャの苗>
<トマトの苗>
さて、今は夏野菜の準備の時期ですが、サンファーム高橋さんのビニールハウスにも、苗がたくさんありました!
写真の苗、何の野菜かわかりましたか?
これらの苗を、これから畑に植えていくのですが、まだぐんと冷える日もある中で、 「遅霜や雹が怖い」と高橋知宏さん。 せっかくここまで順調に発芽・成長した苗ですが、露地の畑に植えた場合、冷気で焼けてしまうこともあるそうです。
<小松菜>
<大根>
<レタス>
<玉ねぎ>
みずみずしさが伝わってきます
そして、「作付け→収穫→片付け→作付け」を繰り返していくのですが、 これを一人で回すのは、やはり大変とのこと。 3月〜4月で、やっと昨年の夏野菜の片付けをしている、ともお話しされていました。
<カラフルなチューリップの花束>
<チューリップ>
続いて、高橋愛さん(奥様)の担当「お花」部門は、現在、多くの種類が出荷中だそうです!
「ステイホームしているお友達に!」という注文も多くなっているとのことですが、 写真のチューリップの花束、これはお家で春を感じるには最高ですね。
他にも、レモンバーム、矢車菊、チューリップ、ハウス栽培のカレンデュラ、スターチス、ニゲラ、レースフラワーを出荷中。 有機農家さんでお花を出荷されているところは、珍しいと思いますが、こんなにたくさん!
<乾燥中のカレンデュラ>
<エンドウ豆のツル>
カレンデュラは、ハーブティー用に乾燥中とのこと。完成が楽しみです!
また、エンドウ豆のツルですが、こちらは、お花を取り扱う方々からはとても喜ばれているそう。 丸い葉と細かいくるくる、そして可愛らしい豆が、他のお花と並んだときにもアクセントになりそうですね!
<ブルーベリー>
<ヤマブキ>
今月はサンファーム高橋さんの様子をお届けしました。 様々なお野菜と合わせて、花卉・果樹もたくさん栽培されている畑の華やかさが、写真から伝わると嬉しいです。
【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(2)
日本に『有機農業』という言葉が生まれた1971年頃に何が起こっていたでしょうか。 それまで有機農業という言葉は日本にはありませんでした。 なぜなら、普通の農業が「有機」だったから、特別なものではなかったのです。
1962年にアメリカでレイチェル・カーソン著「サイレント・スプリング」が出版され、 2年後に邦訳「沈黙の春」として日本で紹介されました。
その中には、「春になっても鳥のさえずりが聞こえない。でも春はやってくる。 これはどうしたことか」と書かずにいられなかったレイチャルの想いがありました。 本の中では、空中散布されるものを含めて、殺虫剤や除草剤を大量に使っていることにより、 化学薬品が、昆虫、鳥、動物、魚、植物、地下水、川、海、土壌などを汚染し、 人間にも被害を及ぼしている現状が報告されます。
その頃日本では四日市公害、カネミ油症事件、水俣病と公害が多発していました。 その中で「母乳から農薬検出」、 つまり、人間が初めて食べる食べ物・母乳が農薬に汚染されているという事実は、 人類の存亡に関わると心ある農業者や心ある消費者を驚かせ、 それをきっかけに市民運動の延長線上で日本に有機農業が始まったのです。
霜里農場・金子さんは人類の生存基盤である自然環境、生きた土と動植物、 人間の尊い生命に直結する農業の重要性を自らの農業の中で実践していくために、 始めから参加されました。
次号では、始めから日本の有機農業に関わる事になった金子さんの背景についてお伝えしたいと思います。
参考
今月の小川町の話題
★ 【レポート】霜里農場 金子美登・友子夫妻の近況
新型コロナウィルス感染拡大の状況もあり、霜里農場・金子美登さんについて、 たくさんの方からご心配のお声を頂きましたので、元気な近況の様子をお伝え致します。
金子美登さんは数年前から体調を崩されていましたが、3月30日に72歳を迎えられ、 今はお元気に、簡単な農作業をこなしながら日々を過ごされています。
先日、新型コロナウィルス収束後に私たちがしなければいけない事について、 ご夫妻とお話ししてきましたので、これについても機会をみてお届けできればと考えています。
<霜里農場 金子美登・友子夫妻>
★【情報】小川の有機野菜が主役の日替わりシェフレストラン「べりカフェつばさ・游」
小川の有機野菜が主役の日替わりシェフレストラン「べりカフェつばさ・游」(ベリカフェ)は、 霜里農場をはじめとする小川の有機農家と地域市民が協働し、 NPO生活工房つばさ・游が運営する形で、 小川駅前徒歩1分の空き店舗だった蕎麦屋さんを借りて2009年10月13日に始まりました。
「ベリカフェ」の名前の由来は「おしゃべり」のべり、「ベリーグッド」のベリで、 名付け親は小川町晴雲酒造社長・中山健太郎さんです。
作る人が毎日違う事で家賃の負担を少なくし、週1日ということで体力の負担を軽くするなど、 長く続けることを目標にして、今年で11年目を迎えています。 規格外有機野菜の活用で安くて美味しいお野菜料理が並びます。
美味しいお野菜の三原則である「鮮度・品種・素性」を備えた世界一! の野菜料理です。 朝、畑で収穫した野菜がお昼にはお料理として並ぶのですから、これ以上の鮮度はありません。 世界一だと自負している理由です。
現在、霜里農場は第1土曜日を担当。日々、様々な世代が性別、環境などを超えて美味しい野菜調理を提供しています。 小川町にいらしたら是非、小川の有機野菜の美味しさを堪能してみて下さい。