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小川町USPファームだより 2020年6月号

発行日:2020年6月5日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子

今月号は

をお届け致します。

おいしいお野菜届け隊 農家さん情報

今月は、『横田農場さん』の畑の様子をお知らせします。

これから田植えが始まると同時に、麦刈りの季節になります。

麦刈りは本来、梅雨の合間を縫っての仕事になりますが、最近は枯れ梅雨のことも多くて、 麦がからっからに渇いていることもままあります。 昔は、雨の合間に急いで刈り取って、家の土間の中に入れたり、 軒先においたりして、雨をしのぎながら乾燥を待ち、脱穀していました。

しかし、田んぼにとってはよい季節です。雨が降れば水量が増し、田んぼに引き入れる水にも余裕ができます。

麦にとっては梅雨は難敵で、田にとっては助かる。降っても降らなくても悩まされるのは、今も昔も変わらないなと思います。

とはいえ、最近の気候変動は、ひしひしと肌で感じられます。 農家には、作るものを変えたりしながら、目先の対処と、 なるべく石油資源に頼らない方法を模索していくという100年先を見据えた方法を両立することが求められています。 これはどんな業界も同じかもしれませんね。

人間がこんなことを考えている間に、トマトの穫れる季節になります。

日本中で外出自粛が呼びかけられている間に春は過ぎ、気がつけば四国以南の地域は梅雨入りとなりました。 関東ももうすぐのようです。

さて、今月のレポートですが、先月に引き続きリモート取材となります。 冒頭は、横田さんからいただいたメッセージで始めさせていただきました。 農家さんならではの切り取り方で、今回は大変美しい写真もお借りしました。

自家製醤油

<5月頭に自家製醤油を仕込まれたそうです>

まずは、畑の様子をご紹介しましょう。

トマト

<見違えるほど大きくなったトマト>

トマトの房

<房でなっている様子 >

4月にご紹介した時には、まだ苗だったトマトがこんなに大きく!
もう収穫間近です。ミニトマトは、こうやって房でなっているのが可愛らしいですね。

青いトマトを見ると、横田農場さんの農業体験会(7月の大豆の種まきの回)でランチに振舞っていただいた 「摘果トマト」の炒め煮を思い出します。

続いて、旬のエンドウマメです。

キヌサヤの花

<キヌサヤの花>

スナップエンドウ

<スナップエンドウ>

収穫されたスナップエンドウ

<収穫されたスナップエンドウ>

この赤い花は、キヌサヤ。スイトピーがマメ科の植物だということが納得できる一枚です。 白い花がスナップエンドウ。花弁を残したままのマメもありますね。 茹でても生でも、パリパリ永久に食べられるます。この時期の楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

スペルト小麦
スペルト小麦

<スペルト小麦>

最後に、麦畑の様子です。まず、こちらがスペルト小麦。収穫まであと少しだそうです。

ライ麦

<ライ麦>

こちらは、ライ麦。葉より上がスッと伸びているのが特徴的です。

穂が出る前から、対照的なフォルムの2種類でしたが、こうして見比べられるのも、 複数の麦(小麦や、麦茶になる大麦も)を育てている横田農場さんならではです。

庭の花

<レポートの最後はお庭の花たち>

緊急事態宣言が段階的に解除されてきているため、十分注意を払いながらではありますが、 農業体験会も開かせていただけることとなりました。 また皆さんと畑でお会いできることを楽しみにしています!

6/13(土)農業体験会「田植え」を開催します

緊急事態宣言解除に伴い、田植えを実施したいと思います。マスク着用にて参加お願いします。

(状況により変更になる場合もあります。)

時:
6月13日(土)9:30 小川町駅集合
所:
横田農場 小川町青山1376-3
内容:
田植え

詳細・参加申し込み ⇒ 農業体験会実施のお知らせ「田植え in 横田農場」

【シリーズ】霜里農場 金子美登さんと目指す私たちの未来(3)

金子美登さんは、昭和23年(1948年)に小川町下里で、代々農家の金子家の長男として生まれました。

お父さんの金子万蔵さんは、陽明学者・思想家の安岡正篤氏(※1)が 隣町の嵐山町に創設した日本農士学校(※2)の第1期生でした。 卒業後は、自宅で「霜節堂」という私塾を開き、地元の若者に漢文や書道、剣道を教えていたそうです。

そういう環境でしたので、金子さんは小学生のころは、背筋を伸ばして、 学校は休んだことがないほど、真面目だったそうです。

また、お母さんの実家は、ヤオコー会長・川野幸夫氏夫人の光世氏につながり、 光世夫人と金子さんは小さい頃はよく遊んだそうです。(※3)

金子美登さんが三歳の時に、お父さんは乳牛を飼い始め、 米、麦、野菜、鶏、機織りと複合農業の道に入りました。 金子さんは、それを手伝いながら後継者となるべく勉強を続けていました。

ところが、ある日、生まれてきた子牛が無脳症という奇形だったという体験をします。 原因は飼料のなかに入っていた大豆粕でした。 ダイズから100%近く油を絞るために化学薬品を加えますが、 その化学薬品が採油した後のダイズ粕に残留していたのです。 カネミ油症事件と同じです。

当時、狭い農地に30頭の乳牛を飼っていました。 牛は30kg/日の糞をしますが、それを農地に循環させるのも限界が来ていました。

そんな時、「農水省が新しい学校を作るのでそこに行ってみないか」というお誘いを受け、 もっと広い視野から農業をつかみたいと試験を受け、合格しました。 1968年新しく開校した農林水産省の農業者大学校に1期生としての入学でした。

1クラス40名19~25歳の若者が同じ釜の飯を食べて勉学に励みました。 講師陣も超一流の先生ばかり。そして何より1期生ということで、教師も職員も学生も、 ここから新しいものを、未来を創り出していくのだという草創期のエネルギーに溢れていたそうです。

金子さんが青春の全てをたたき込んだ有機農業の始まりです。

次号では、金子さんにどんな学生時代で何を学んだのかお聞きしてみましょう。 そして、今、コロナウィルスの収束のその後について、 私たちはこの事態から何を学ばなければいけないか考えてみたいと思います。

参考

脚注

(※1)安岡正篤氏は 「平成」の元号の発案者として知られます。(致知出版社のページ

(※2)日本農士学校(福聚講のページ)

(※3)ヤオコー会長と金子家とのエピソード部分(小川孔輔ゼミのページ)

今月の小川町の話題

★【情報1】ドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」8月公開決定齊藤工さんが声の吹き替え担当

6月に上映公開予定がコロナで延期になっていましたが、ついに8月に公開です。

フードロス問題を取り上げた映画で、最後のシーンは小川町横田農場で撮られました。 そして何と、デービット・グロス監督の日本語吹き替えを、俳優の齊藤工さんが担当される事になりました。(⇒ 関連ニュース記事

今、私たちが取り組まなければいけない課題として是非、ご覧頂ければ嬉しいです。

上映予定 ⇒ 映画「もったいないキッチン」

映画「もったいないキッチン」

★【情報2】「ドクダミ」チンキの作り方

この時期、庭にドクダミが生えていますが、雑草と思っては大間違い!! 毒消しなどの嬉しい効果が期待できる薬草なのです。

その成分をアルコールに溶かす、チンキの作り方をご紹介します。

チンキは、化粧水、入浴剤、うがい薬、虫よけスプレーなど様々な使い方が出来ます。

作り方
  1. ガラスの保存瓶を煮沸消毒、しっかり乾燥させておく。
  2. ドクダミの汚れを洗い流し、洗濯バサミなどで吊るして水気を取る。
  3. 葉と花を摘み取り、瓶の8分目まで入れる。
  4. アルコール(35度以上の焼酎、40度のウォッカなど)を9分目までひたひたに加える。
  5. しっかり蓋をし、空気に触れないよう時々振りながら、1ヶ月~3か月程冷暗所で保管。
  6. 最後に葉と花を取り出して、完成。
ドクダミ

<ドクダミ>

★【情報3】地元のオーガニック店紹介「農家のcafe&bar TRANSIT(トランジット)」

小川町で有機農業をされている田中慎太郎さんが開いた有機農家のcafe&barです。 2017年3月にオープンし、丸三年が過ぎました。 田中さんは音楽をこよなく愛し、お店では、音楽イベントが頻繁に行われています。

店主自ら育てた有機野菜たっぷりのメニューと、ウィスキーやカクテルなどお酒メニューも豊富です。 美味しいお料理とお酒が醸し出す雰囲気は、どこか人なつっこい優しい独特のものがあり、 すぐにお店に溶け込むことが出来ます。

6月から以下の通常営業に戻ります。

お店から一言

小川町で有機農業をしながら週末カフェバーを運営しております。 自家製の野菜等を使い添加物にも気を使った料理に、地元のお酒を初め色々扱っております。 コーヒーや紅茶もオーガニックで、デザートもありますので、お酒の飲めない方も是非、お気軽にお越しください!

【お店情報】
所在地:
比企郡小川町大字大塚28番地2F 小川町駅から徒歩6分
営業日:
金、土、日曜
営業時間:
18時~22時(ただし、予約かオーダーがある限り延長あり)
電話:
080ー2523ー0022
FaceBook:
農家のcafe&bar Transit
田中慎太郎さん

<田中慎太郎さん>

Transit店内
お酒のメニュー
デザート

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