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第12回US.Peaceファームシェフズテーブル レポート

第12回US.PeaceシェフズテーブルNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場した
有機農業のカリスマ 埼玉県比企郡小川町の
金子美登さんのお野菜と有機食材宅配のパイオニア㈱大地を守る会・岩手県山形村短角牛のコラボレーション企画。
新鮮な有機野菜と生命感あふれる雑穀を生かし、イタリアなどの地中海沿岸料理で人気の東京・丸の内「Daichi & Travel cafe 」にて7月31日(日)に開催されました。


第12回US.Peaceシェフズテーブル ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所 所長 當仲

金子さん、㈱大地を守る会、共に大切にしているのが、以下の3つ。
①日本の第一次産業を守り育てる
②人々の健康と生命
③持続可能、循環する社会
2つの思いがきっかけとなり、埼玉県・小川町の有機野菜と岩手県・山形村の短角牛を両方味わえる
特別な会のスタートです。

まずは、「シェフズテーブル」を企画・運営しているユニバーサル・シェル・プログラミング研究所
所長 當仲より挨拶させて頂いて、スタートです。

 ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所 所長 當仲

小川町「霜里農場」と出会い、有機農業をひとりでも多くの方に伝えたい。
そんな思いでこつこつと地道に続けてきたシェフズテーブルも12回目。
ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所は、システムを組む、いわゆる「IT」の仕事をしている会社です。
農業のように大地を相手にする仕事とは正反対の仕事です。
まわりを見渡すと、心身を壊す人も多いです。
だからこそ、食の重要性を日々感じ、このような活動を通じて、多くの人たちをつなげていきたいと
思っています。
今回のシェフズテーブルは、貴重な肉が食べられるということで楽しみにきました。
ぜひ、皆さんも楽しんでください。
と、挨拶がありました。
 
乾杯に引き続き、本日、料理と共に皆さんが楽しみにしている金子美登さんのお話です。

金子美登さん

農業とは、「天地の機(チャンス)」。大自然の法則をつかむことです。
例えば何十年かけてつくられる腐葉土。自然の法則に逆らわず、自然の力を借ります。
有機農業では、土ができるまで3~5年、10年めぐらいからコンスタントに野菜ができるようになる。
1gの中に数億の微生物がいて、それらが働いてくれるので、化学肥料はいりません。
そういう農業をして45年目になります。

TPPにより、値段だけの競争になると、日本の農業はつぶれてしまいます。
木材がそうでした。外国から大量の安い木材が入ってくるようになって林業が衰退した。
農業と工業を同じように考えてはいけない。
農業は生きた生産。工場は死んだ生産。
工業は規模の論理。機械で効率化。同じものを大量にいつでも作れますが、
農業はまず1年に1回しか作物はとれない。農業も機械化で効率化できるが
そのためには、欧米のように面積を大きくしないと機械は使えませんし、日本では無理なやり方です。
その土地の自然にあわせるのが大切なことです。


金子美登さん小川町は大豆から始まり、町全体で有機にとりくんできました。
2009年には小川町の90%が有機になり2010年には天皇杯をいただきました。
それは全量買取してくれる消費者がいたからできたことです。
みなさんには再生産可能な価格で農業を支えてほしい。
これから言う数字を覚えておいてください。
1俵(60㎏)で1000杯のお茶碗のごはんが食べられます。
一般的な1俵のお米の値段が7000円。ごはん1杯が7円。
うちの有機のお米はごはん1杯30円。
みなさんはコンビニのおにぎりにもっと払っていますよね?
みなさんにはごはん1杯30円ぐらいの価格でお米を買い支えてほしい。

金子さんのお話に皆さん大きくうなづいていました。
私たちは、便利さと引き換えに安全や継続していくという、人間の根源に関わる大切な物を失っているかもしれませんね。

いよいよ食事がスタートです。
1品目は前菜の盛り合わせ。
パプリカときゅうりのピクルス。なすとししとうの揚げ浸し。白身魚のエスカベッシュ。

パプリカときゅうりのピクルス なすとししとうの揚げ浸し 

2品目は、野菜料理
ひょうたん南瓜の冷製ポタージュ。根菜のロースト(じゃがいも、人参、玉葱)

ひょうたん南瓜の冷製ポタージュ。 根菜のロースト(じゃがいも、人参、玉葱) 

ここでいよいよ今日のメイン!!「短角牛のステーキ」について
岩手県山形村の「短角牛」について(有)総合農舎山形村の大山善満様にお話いただきました。

 (有)総合農舎山形村の大山善満様 

短角牛の生産量は日本全体の1%。
その少なさに、皆さん驚きです。
絶滅危惧種と言ってもいいほど希少だそうです。
仔牛を産ませる生産者と、育てる生産者は分業だそうで、仔牛を産ませる生産者は、後継者不足の為、減少しており、育てる生産者も、仔牛の値上がり(以前は10万円ほどだったのが現在45万円位)と飼料代によって非常に苦しい状況になっています。
それをなんとかそれを支えたいと思って日々奮闘しています。と・・・。厳しい現状を話てくださいました。

生産者の中屋敷稔様続いて、生産者の中屋敷稔様のお話です。

そもそも短角牛のルーツは、南部牛です。食用ではなく運搬に使われていた役牛で、これにショートホーン種を掛け合わせたものです。
通常は仔牛を生ませる生産者と育てる生産者は分業なのですが、中屋敷さんは、仔牛を生ませるところから
育てるところまで、一貫してやっています。
「夏山冬里方式」と言って、夏は草地に放牧し、冬は畜舎で育てる伝統的な方法です。
仔牛と母牛をペアにして、数ペアを夏の間山に放牧する。
母牛は山の草を食べ、仔牛は母牛のミルクを飲んで育ちます。
オスは1頭だけを山に放し、自然交配をさせ、冬に牛舎へ戻ってくるのだが、それまでに仔牛が死んでしまったり、
交配が全く出来ていないというリスクもあります。
生産者は夏の間何をしているかというと、冬に牛舎で食べさせる飼料をつくっています。

わたしが子どものときは、周辺も同じような生産をやっていたが、輸入自由化で激減してしまいました。
山形村では現在12軒が生産をしている。
私は高校を出て10年間は東京にいた。畜産をやるつもりはなかったが、
東京から田舎をみたり、海外を旅して外から日本を見たとき、日本のこの美しい風景を残していきたいと思うようになった。
日本の食べ物はとても美味しいし、日本人は努力して良いものをつくるという良さを確認し、
畜産の道へ進みました。
12軒の生産者のうち4軒が自分と同世代。がんばって事業を広げて里山を残していきたいと思っています。
山形村では民泊体験などもやっているので、ぜひ家族で山形村に来てください。
顔が見える関係でお肉を買っていただきたいと思っています。
と、話してくれました。

初めて聞く畜産農家の話。
貴重なお肉の背景を知り、有機農業同様に継続していく大変さを感じました。

3品目は、パスタ
青ナスといんげんのぺペロンチーノ

青ナスといんげんのぺペロンチーノ 青ナスといんげんのぺペロンチーノ

期待が高まる「短角牛のステーキ」の前に、今回参加くださった皆さんにひとこといただきました。
これまでのシェフズテーブルでお世話になった2人のシェフ、お肉の専門レストランのシェフ、金子さんの農業がご縁でお野菜届け隊を継続し、毎回シェフズテーブルに参加してくださってるご家族、USP研究所がきっかけでお野菜届け隊を継続してくださり、シェフズテーブルも常連の素敵なご夫婦とそのお仲間。農業体験会がきっかけで毎回参加の素敵な女性グループ、自らも食育計画を進めている方・・・などなど、様々な方が様々な立場で、「食」の大切さを話てくれました。

さてさてお待ちかねの「短角牛のステーキ」です。

4品目は、メインディッシュ
短角牛のステーキです。

 短角牛のステーキ  短角牛のステーキ

あっという間に、参加者の胃袋に消えていきました。
とってもミルキーでおいしかったです。
あちこちで歓声です。

最後は、デザート
南瓜のプリンと葡萄

南瓜のプリンと葡萄

葡萄は、朝、金子さんが摘んできてくれました。
有機の葡萄はこれまた貴重です!!

幸せな笑顔と笑い声が響きます。

シェフ「中嶋さん」ここで、本日のシェフ「中嶋さん」に一言頂きます。

シェフをしながら自ら野菜作りもしていて、その手本としているのが金子美登さんの本です。
お店で日頃から有機野菜を料理しているので慣れてはいますが、金子さんご本人にお会いでき、
お料理を食べてもらえ、とてもうれしいです。
野菜も肉も素材がとてもいいので、自分としては仕事をしてない感じです。
(会場からはそんなことな~いです~の声)
これからも良い素材を大事にしていきたいと思います。
と、はなしてくださいました。
金子さんの本の読者とは!驚きでした。
こんなところでも繋がっているんですね。

最後は、アンケート記入などをして頂き、恒例の集合写真。
やっぱり笑顔がいっぱいです!!!皆んな名残惜しいようにあちこちで名刺や連絡先交換です。
ここからひとりひとりが有機農業の伝道師となって、輪が広がるといいなと思います。

集合写真

参加くださった方々、おいしい野菜を作ってくださった霜里農場の皆様、
美味しい短角牛を育てて下さった皆様、料理をしてくださったお店の皆様。
全ての皆様のご協力でとても素敵な会になりました。
有難うございます。

私達ひとりひとりの認識が変われば、世界も変わると思います。
まずは、自分の出来ることから一歩ずつ。
今日は、そんなことを決心した会になったのではと思います。
本当に本当に有難うございました。

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