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小川町USPファームだより 2023年7月号

発行日:2023年7月7日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子

今月号は

をお届け致します。

小川町の畑情報

(文:高橋かの)

小川提携米こめまめプロジェクト 〜田植え・里山遊び・蛍鑑賞〜

2009年から始まった「小川提携米こめまめプロジェクト」。 US.PeaceFARMのスタッフもされている高橋優子さんが中心になって進めているもので、 農家さんが作ったお米を、来年も生産可能な価格で、 全量即金で買取るという"提携"のスタイルにのっとっています

2010年に集落全体が有機農業に取り組むようになったことで「天皇杯(村づくり部門)」を受賞して いる下里地区から始まったこちらの取り組み。最近では、小川町内の上横田大沼地区に主な稲 作エリアが移って来ていて、沼の水や周りの山の資源を循環させて農業を行う「小川町上横田大 沼地域循環共生圏構想」も動いています。

という場所で、6月18日日曜日に、田植えや蛍鑑賞をする会が開かれるということで、一部ですが 見学させていただきました。

以下、当日の写真とともにご覧ください!

“谷津田”と呼ばれる、谷間にできた田んぼ。すぐ上に大沼という沼があり、そこに蓄えられた天水 (雨水)や湧水を利用して、稲作を行います。両脇には、雑木林があり、人の手が入った自然環境 で、蛍やトンボ、野鳥などを含む、特有の生態系が形成されているといいます。

今年1月には、この場所の取り組みは近隣の谷津田とともに「日本農業遺産」に登録されました。

実は、ここは、農機具が入りづらく管理が大変なため、5年ほど前までは耕作放棄地になってし まっていましたが、近くの農家さん達が協力し合い、 水路を作ったり、田んぼを起こしたり、山を 整備したり…ここまでもってきたのだそうです。

当日は、そんな農家さんたちが勢揃いで参加者を迎え、田植えの指導はもちろん、ヘビに遭遇し た時の対処法や水路に落ちないための声掛けなど、さまざまなことを教えてくれました。

参加している方の多くは、「提携米」を買っている消費者の方々。お子さん連れも多く、初めての 田んぼ体験という方もいらっしゃいました。こうやって、一部体験をしながら、生産現場に触れるこ とで、よりお米も美味しく感じるのでしょうね。

田植えをしながら、農家の一人である栗原さんから伺ったお話が印象的でした。実は、慣行 農家としてのキャリアを歩んできた栗原さん。谷津田のプロジェクトに関わって、初めて無農薬無 化学肥料での米作りを体験し、まずその味わいに驚いたそうです。そして、慣行農業なら農協に おろす際に他の農家の米とブレンドされて出荷されることもありますが、この有機米は純粋にこ れだけで食べてもらいたいと思ったそう。

ただし、まだ耕作放棄地からかえって間もないこともあり、収量を安定させることは難しいし、販売 価格もどうしてもスーパーのお米の価格にはならない。だから、消費者は、その時の家計の事情 などに合わせて、有機米・そうでないものを選ぶのが良いのでは、と。

慣行農業といっても、最近では、低農薬で環境にも健康にも配慮した栽培をされていることが多 いし、同じように農家が丹精込めて育てていることに変わりはない、という実体験に基づいたお話 に、田植えをしている参加者もうなづいていました。

耕作放棄地から田んぼに戻す際に、大型の機械を入れて、ビオトープ化を目指していた経緯か ら、田んぼにはかなり水深がある箇所もあり、小さなお子さんは全身どろんこになって田植えをし ていました。 日差しの強い日で6月にしては珍しいほどの真夏日でしたが、最後までみんなで植え切って、え らい!

カエルや、卵を背負ったコオイムシを見つけました。

水路には、水がたくさん流れていて、終わったあとはモーターで吸い上げて、全身の泥を流しました。 冷たくて気持ちよかったです。

予定していた1枚の田んぼの田植えが無事に終わると、次は、下流の方にある田んぼの近くで空 中ブランコを体験しに移動しました。全参加者が車で来ているので、この日は、田んぼ → ブランコ → ご飯作り・お話会 → 蛍鑑賞、 と複数の場所を移動して自然を楽しめる内容になっていました。

雑木林に生える木や、間伐した竹を上手く利用して、いろいろな形のブランコができていました。 綺麗に手入れされた林の向こうには、水が張られた田んぼが広がり、開放感もあります。

落ち葉をはいたり、椎茸を栽培したり … といったことも田んぼの横の林でされているそうで、 本当にこの谷津田の周りでぐるぐると資源が巡っていることを体感できるのがすごいですね。 今回、詳しくは書きませんでしたが、ここには「小川堆肥組合」や、 地元の保育園や高校、大学なども関わり、 活動としても多様な立場・年齢の方々の繋がりあってこそ成り立つようなモデルになりつつあります。

また、稲刈りの時や、椎茸の菌打ちの時に、お邪魔したいなと思いました。

イベント自体は、このあと、お米を自分達で炊いての夕食や蛍の鑑賞などが行われ、参加者も大 変楽しんで終了となったそうですが、谷津田での体験部分をレポートさせてもらいました。

夏の終わりには、今年の提携米の購入者募集がかかる予定ですので、ご興味のある方は、楽し みにお待ちいただければと思います。

参加者の感想

「田植え、カレー、蛍とどれもとても楽しく、貴重な体験でした。 何よりも、農家さんも参加者の方々も、皆、素敵な方々ばかりで皆様のあたたかさ、優しさに助けられた1日でした」

  • 小さなお子さんが植えやすい深さの場所に交換してくれた
  • 農家さんが「上手だね〜」と声をかけてくれた
  • 手を洗う場所を一緒に探してくれる方がいた
  • 洗いやすいようにバケツを貸してくれる農家さんがいた
  • 空中ブランコ、夢中なお子さんに「まだ乗ってていいよ」と順番を譲ってくれるお兄ちゃん
  • コーヒー牛乳を差し入れてくださる農家さん
  • 鼻血が出て泣いてしまった時に、みんなにたくさん助けて励ましてもらった
  • 夜、家族の迎えが来るまで、危ないから、と一緒に待ってくれた
  • お子さんの質問一つ一つにしっかり答えてくれた

スタッフの方で、箇条書きでまとめさせていただきましたが、これだけの気づきと感謝ができる参 加者さんご自身からもとても素敵な感性を感じます。素敵なエピソードばかりでしたので、ご紹介 させていただきました。

【レポート】6月10日 農業体験会 〜田植え〜

6月10日土曜日には、US.PeaceFARMの農業体験会を行いました。雨続きの予報の中、奇跡的 に雨が降らない日で、田植え日和でした。

田植えしたのは、今年横田農場さんでお米をつくる6枚の田んぼのうち、2枚。経験者も多かった ため、2枚同時に植え始め、例年よりも一生懸命な田植え体験となりました(笑)

この苗が大きくなったら、10月には稲刈り、12月には餅つき、そして2月の味噌仕込みができま す。たくさん実りますように!

農業体験会〜田植え〜 レポート記事

【シリーズ】小川町今昔物語(第15回)

小川七夕祭り

小川は1300年の歴史を誇る「和紙の町」として有名です。 埼玉県で学校に通っていた人は卒業証書を小川和紙で手漉きをした経験のある方も多いのでは ないでしょうか。

<小川町の和紙を使ったお飾りの一例>

とはいえ、戦後、日常の暮らしの中で和紙を使うことは少なくなってきました。 そこで、和紙の振興として1949年から「小川七夕祭り」がはじまり、今年は75回目。7/29〜30に 開催されます。

趣旨通り、最初は和紙を使った七夕飾りを町内のお店が競って飾り、和紙のすれるカサカサとい う音や肌に当たる感触が気持ち良かった、と古老の皆さんはおっしゃいます。時事に絡んだ物や 伝統的な物まで沢山の竹飾りが並びます。

<七夕まつりの屋台引き回しの様子>

過去の七夕で取り組んだ2つの例を紹介します。

そんな華やかな七夕祭りですが、翌日の月曜日の午前中は、竹飾りや夜店の食べ物容器・ペットボトルなど、 ゴミがかつては10トンも出て、「祭りの後のチョメチョメ」宜しく町内総出での大掃除でした。

小川に越してきてから、祭りは参加してこそ、と思っていましたが、この有り様を見て、 美しい七夕飾りに恥じないお祭りは出来ないものか、と考え、ゴミの出ない七夕飾りを有機食堂 わらしべさんや友人達とチャレンジして作ってみました。

<小川町マップ28号 — 30世紀につながる七夕まつり — より>

七夕飾りの飾りや短冊はすべて久保製紙さんの小川手漉き和紙を使い、終わった後は漉き直し て、次の年に短冊として使う事に。竹は炭にして活用し、ゴミの出ない七夕飾りを目指しました。

補足:和紙は繊維が長いので漉き直しが出来る優れものです。

<小川町マップ31号>

食べ物は、わらしべさんに小川青山在来大豆と小川町産有機夏野菜を使った豆夏野菜カレーを 作って貰い、かつ入れる容器は塩味のビスケット生地で器を作り、器も食べられるゴミの出ないメ ニューとしました。

器生地にカレーが染みこんで、美味しく最後まで食べる事が出来たのです。器まで食べるので、 結構なボリュームになりましたね。笑 結構、手間のかかる物でしたが、期待に応えて下さったわらしべさんに感謝、感謝です。

※みんなで協働で作った七夕飾りは、手漉き和紙本来のオフホワイトで上品な飾りとなり、賞を 頂きましたよ。

今年の七夕祭りは、7/29〜30ですが、まだコロナの影響があるので、花火大会はなしで、町内に 絞り込んで飾りや引き回し屋台が出るようです。

これからのお祭りはゴミを出さない環境配慮型に変えていかないといけないと考えます。 未来の七夕祭りがどのような形になるのか、見守っていきたいと思います。 是非、色とりどりの華やかな七夕飾りを見に来て下さい。

【参考】

今年の七夕祭りについて(花火大会は中止)

七夕飾りや屋台引き回しの場所

今月の小川町の話題

★【おしらせ1】『All-dayマルシェ@べりカフェ』のご案内 7/8

11/26開催の「マルシェおがわ」のプレイベントとして、7/8にベリカフェを一日貸し切って 朝から夜まで、マルシェを楽しみます。マルシェの出店者が入れ替わり立ち替わり出店しますよ。 目玉は19時からの「スナックUFO」です。

テーマは「懐かしの昭和」で現役DJのmitsuさんが出演します。 あやしげなミラーボールのクルクル回るライトに血が騒ぎますよ。 あなたもワクワクドキドキしに、参加してみませんか?

日時:
7月8日(土)9:00~22:00
場所:
べりカフェ (小川町大塚1186)小川町駅から徒歩1分 ⇒ 地図
スケジュール:
  • 11:30~15:00   ランチ(ピンポン飯店)
  • 13:00~17:00   エルコロールさんのワークショップ + AKIさんのケーキ + お茶
  • 17:00~20:00   パインさんのカレー
  • 20:00~22:00   マルシェバー + ディスコ

詳細 ⇒ Facebook「マルシェ・おがわまち」

★【おしらせ2】農家と造り手と日本酒をたのしむ夕べ
          〜伊勢神宮由来イセヒカリの"饗之光"を囲んで〜 8/5

小川町でぶどうを有機農法で自家栽培して醸造する「武蔵ワイナリー」には、 同じく町内・下里地区で有機農家によって生産されるお米を使った日本酒 「饗之光(あえのひかり)」 シリーズがあります。

この日本酒のために栽培される「イセヒカリ」の栽培を続けられるよう、お酒がもっと人気になるよう、 農家さん自らが発案して初開催されるお酒と食事とお話会のイベントです。

土曜日の夜の開催です。ぜひ、農家さんや酒造り(杜氏)もされる武蔵ワイナリー代表の福島さん ともお話ししながら、美味しいお酒とおつまみをたのしみませんか?

日時:
8月5日(土)18:30~20:30
場所:
武蔵ワイナリー駅前店 / 武蔵とんナリー
小川町大塚47-3 (小川町駅徒歩2分)
参加費:
3,000円 (席代・乾杯酒・武蔵とんナリー監修おつまみ 付き)

お申し込み(先着20名) ⇒ 参加予約フォーム

お問合せ ogawanoyado2022@gmail.com 小川まちやど(高橋)

★【情報】「小川町宿鴻倫」にポケットパークとビアガーデンがオープン 7/5

先月号でご紹介した「鴻倫」のポケットパークが完成し7/5にビアガーデンがオープンします。 このポケットパークやビアガーデンは鴻倫女将・鈴木さんの人柄に引き寄せられて、町民有志の 皆さんが作ったものです。

また、新しい風が吹き始めましたね。ワクワクします!!!

<鴻倫のポケットパーク>

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