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小川町USPファームだより 2023年12月号

発行日:2023年12月8日
制作:US.Peaceファーム & NPO生活工房「つばさ・游」高橋優子

今月号は

をお届け致します。

小川町の畑情報

(文:高橋かの)

最近の横田農場さん

農業体験会で、10月、11月、とお邪魔させていただいていますが、11月末、 すっかり冬めいた横田農場を長男の岳さんにご案内いただきました。

今年最後のレポート取材。今年は、小川町内は、まつなが農場さん、SOU FARMさん、 風の丘ファームさん、小川提携米こめまめプロジェクトさん。町外は、ときのこやさん、 木曽農園さんなど、たくさんの有機農業の場を見学・取材させていただきました。

どの現場でも、今年は、初夏の雨ぶそく、真夏の異常な暑さ、秋到来の遅れ …など、明らかな異 常気象によって、虫や雑草、獣の影響を大きく受けたことが印象的な一年でした。

横田農場さんも、後半の「おいしいお野菜届け隊」の募集の際には、 複数の作物が不作となっていることをお手紙としてお知らせされましたが、 結果として、品目数を調整するなど工夫をし、お休みすることなく発送してくださっています。 取材の日には、無人直売所にも、大根・カブや葉物野菜が並んでいました。

まずは、先日体験会で刈り取ったばかりの大豆畑へ。 何区画もの大豆畑がさっぱりして、その様子からも秋の終焉を感じました。 熟しきらずに青い葉を残したまま成長が止まった大豆は、刈り取りからすぐには脱穀せず、 数日間畑で乾燥させてから脱穀機に通すのだそうで、まとめて畑に残されていました。

こちらの畑では、お父さんの茂さんが、刈払機を使って大豆の根本を刈っていました。 (体験会の時は、参加者はハサミで刈ります) このあと、束をまとめて機械に通して、袋を運んで …と作業量が多いので、 体験会で手伝ってもらえることが本当にありがたいとおっしゃっくれていました。

こちらは収穫間際の里芋。寒くなるとより食べたくなるネギ。

黒くて小さな粒の黒千石大豆や、小豆もこのように、時期を迎えていました。

夏が暑すぎてとれず、秋から本領発揮していたナスも、もう終わりでしょうか。

ナスの畑の中に蜂の巣箱を発見しました。 分蜂(ぶんぽう)といって、ミツバチの引越しがあったので、 自作した巣箱を置いてみたのだそうですが、そこに巣は作られず、 中を見せてもらいました。

バジルの種。こんなにたくさんつくのですね。

トウガラシはもう少し早く収穫したかったとのこと。たくさん赤い実がついています。

見慣れない植物はローゼルというもので、ハイビスカスティーの原料。赤いガクの部分だけ使われるのだそうです。

こちらは葉物野菜の区画。ビーツやほうれん草、水菜、小松菜などが見えるでしょうか? こちらの畑は、以前にレポートした際に、白黒のタープ(分厚いビニールシート)を被せていた場所。 その甲斐あってか、生えている雑草も小さくて柔らかいものが多いように見えます。

からし菜、ちぢみ菜なども見えます。

あごひげレタスやサニーレタスも美味しそうです。

白菜。こちらもタープを敷いていた場所ですが、やはり虫は多めだそう。 雨が降らなかったり、暑すぎたり、 そんな環境で虫に対抗するための生命力が落ちていたのかもしれませんね。

キャベツやブロッコリー、カリフラワーは、1〜2列のみ植えられていました。 「(作付しているのは)ここだけですか?」と聞くと、育苗に適した季節に上手く苗が育たず、 今年はこちらにあるだけなのだということ。 時期を遅らせて育てても、結球したり蕾をつける段階で影響が出てくる。 だから、他の作物で出荷量をカバーしていく。これが、少量多品目の有機農業のなせる技だなと感じました。 順調に育ってくれることを祈って。

のらぼう菜、ナバナ、三陸蕾菜、武州寒菜。似ているけど、ちょっとずつ違う4種類。 ぜひ食べ比べてみてください。

こちらはカブの畑です。写真に写っているだけでも4種類見えます。 横田農場さんのこの時期のラインナップは、天王寺カブ、本紅赤丸カブ、万木(ゆるぎ)カブなど。

ビニールハウスの方では、いろいろな品種の玉ねぎ、レタスなどが栽培されているほか、 脱穀後の大豆や雑穀などが保管されていました。

こちらは、緑肥として使われていたタカキビ。 小川町の隣の東秩父村の品種で、夏にはこのように休耕地に大豆やひまわりなどと一緒に生えていました。 こちらは、また種をとって緑肥としてまいたり、食用として食べたりするそうです。

例年のようにニワトリたちが綺麗にしてくれている空芯菜のハウスがありましたが、 ニワトリに与えるカルシウム分も、近くの秩父産のものにされているそうです。

冬が来て、また苗づくりの春がやってきます。 岳さんは、今年の夏を経て、小川町の小規模で多品目を少量ずつ栽培する有機農業の形について、 より考えることが増えたそうです。

彩豊かな野菜セットを年中つくることは難しくなっても、農家として生きていくために、 育てたものをきちんと売っていく必要がある。

一方で、このファーム便り内でも『【シリーズ】未来につながるオーガニック給食』という連載がありますが、 学校給食などの場では、一度にたくさんの量の有機農産物を求めているような動きもあります。 そこに農家として応えていく方法はないのか? 数多くの有機農家がいる小川町だからこそできる生産・出荷の形はどんなものなのか?

これから農業主として、このまちで生きていく若手農家だからこその課題感を垣間見て、胸を打たれました。 そして、まずできることの一つとして、伝えること、があると思い、こうしてレポートにしたり、 周りの人との会話の中で話題にしたりしてみています。

また、直接農家さんと消費者が情報を交換できる場も、 農業体験以外に加えてつくっていけたらと思いました。

tack farmさんからお知らせとお願い

【美味しいお野菜届け隊(tack Farm)の畑がなくなりそうです】

USP研究所が埼玉県小川町を中心に応援し続けている有機農家さんのひとりで、 「おいしいお野菜届け隊」のメンバーでもあった "tack Farm" さんの畑が今、 町によって奪われそうになっています。

農園 "tack Farm" は、2017年から無肥料、 無農薬で安住梨奈さんというひとりの女性が始めました。 しかし彼女は志半ばにして亡くなってしまい、 現在はパートナーの小早川麻里さんがその畑を引継ぎ継続して美味しいお野菜をつくっています。

その畑がいま無くなるかもしれないのです。

皆様の賛同をいただきたく、こちらをお知らせいたします。 下記URLから署名をお願いできますでしょうか。

オンライン署名
「鳩山町役場による耕作者を無視した倉庫建設による有機農地の剥奪に抗議します」

【シリーズ】未来につながるオーガニック給食(第2回)

インドのヴァンダナ・シヴァ博士講演から

11/9に衆議院議員会館にて、 秀明自然農法ネットワーク設立20周年記念シンポジウムとしてインドのヴァンダナ・シヴァ博士をお招きして講演会がありました。

ヴァンダナ・シヴァ博士はインドの哲学者・環境活動家で、 カナダのウエスタン・オンタリオ大学で物理学を専攻されて、 インドに帰られてから女性の地位向上や貧困にあえぐ人びとの救済のために、 生物多様性や種子の保全の活動を通して有機農業の普及に努めています。

そして、有機農業を推進する団体、ナヴダーニャを設立されました。

自然を慈しみ、生命の尊厳を守る活動を展開し、貧しい人々や女性の視点に立って、 開発やグローバリゼーションのもたらす矛盾を鋭き、 世界の農民や環境活動家たちに大きな影響を与えている方です。

ヴァンダナ・シヴァ博士からは貧困と女性の地位向上に有機農業は重要な役割を果たし、 その為の、種の重要性を解かれました。

人は食べ続けなければいけない宿命にある時、食料の確保は重大な課題です。 その食料は種なくしては手に入れることが出来ません。 種は全ての根源と言えるでしょう。 種を握る者は世界を制す、と言っても過言ではないかもしれません。

今、世界を股に掛けるグローバル種子企業が種を独占しようとしています。 日本においても2年前に種子法が廃止され、 農家が自家採種出来ないという大変な状況が起ころうとしています。

そんな中にあって種は風土によって育まれるものなので、 地域で地域固有の種を守っていこうという動きが出てきています。 地産地消で種を育て、生産された農産物を地域の給食で使って、種を保全していこうというものです。

学校給食は教育の一環であるなら、給食用食材は公共調達されるべき物であり、 安全性と持続性が問われるでしょう。

次回は、種の保全と学校給食のオーガニック無償化を成し遂げた、 韓国の事例を紹介したいと思います。

<ヴァンダナ・シヴァ博士と記念撮影>

参考:

KOKOCARA「「たねの支配を、許してはならない」
— 環境活動家ヴァンダナ・シヴァ博士」

ナヴダーニャ(Navdanya)※ 英語サイト

<秀明自然農法ネットワークが保全するお米の品種の数々>

<種で書かれた絵>

今月の小川町の話題

★【レポート1】○(まる)シェ・おがわまち 11/26

農業体験会の翌日、11/26(日)に、小川町の駅前エリアで複数の会場を巡って楽しむイベント 「○(まる)シェ・おがわまち」が開催されました。 寒い日でしたが、全部で7つの会場にたくさんの出店が集まり、楽しい一日となりました! 主催で発起人であるUS.PeaceFARMスタッフの高橋優子さんのコメントを掲載します。

急に寒くなったので人出は少なめだったのが残念でしたが、 今年は新しい出店者も多く、「揚げたておかきのいちず」さん、「沖縄そばのうずりん」さんなど、 美味しい物や手作りクラフト品が並び、ワークショップも盛会でした。

出店者の皆さんは素敵な人達ばかりで、終わった後の交流会には沢山の人が参加して下さり、 「こんな出店者に温かいマルシェは参加するのが楽しい」と口々に褒めて下さいました。

マルシェおがわまちには、US.PeaceFARMの運営母体(有)USP研究所の當仲代表からも温かい支援を頂いております。

本社には○シェおがわまちの幟旗が飾られており、旗には「USP研究所」の名前が記されています。

<当日の様子>

★【レポート2】北裏St.プチフェスティバル

こちらは、「○ (まる)シェ・おがわまち」と同日開催という形で、 同じくUS.PeaceFARMスタッフの高橋かの (※ 同じ高橋ですが親子ではありません(笑)) が実行委員として運営した「北裏St.プチフェスティバル」のレポート。

もう一つ、カレー店が中心となった「強い女マルシェ」というイベントも開催され、 来場者は、町を一斉に盛り上げようという一体感を感じられたのではと思います。

さて、「北裏St.フェスティバル」は、小川町のメイン街道の一本北側を走る「北裏通り」を会場として、 小京都といわれるまちの無数の裏路地を楽しもう! ということをコンセプトに昨年から、そのエリアの事業者が中心となって開催しているイベントです。

明治時代の銀行の跡地「ヒキギンコウ」や、 昔ながらの物件を泊まれる場所として開いていく「小川まちやど」のうちの「三姉妹」周辺が今回の会場となり、 野菜の販売+七輪焼き体験、絵本作家の原画展、ホットドリンクづくり体験、地元の方とのトークセッション、 フードや焼き菓子の販売、古民家リノベ見学、プチ整体、フリマ… などなど、行いました。

イベント会場としては一見不向きな住宅街の小さな軒先などを会場とするため、 近所の住民の皆さんからは徐々に注目されてきて、来年春(3月中旬を予定)開催時には、 町内会の方にも出店側で参加してもらえたらいいなと思います。

<当日の様子>

★【情報】東武東上線100周年

小川町駅がある東武東上線、なんと100周年だそうです。

小川駅構内に歴史のパネルが展示されていました。

当初、東京 — 川越 — 前橋の路線予定が、 小川町内有志の東武鉄道株主運動などで川越から小川に路線変更になったされたそうです。 電車の路線を変えるなんて、スゴイですね。 それだけ、昔の小川町は財力があったという事なのですね。

参考:

「小川町駅開業100周年記念 講演会(ZOOM版)2023.11.05」小川町政策推進課(YouTube動画)

<駅構内に展示されたパネル>

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