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農業体験会 ~餅つき~

農業体験会は、一年のはじめに、横田農場さんとUS.Peace FARMのスタッフで相談して、 1年間の日程と内容を決めています。 その中で、横田さんに「やってみますか!」とご提案いただいて、 今年から新しく追加になった「餅つき体験」。 初めてのことで、わからないことだらけでしたが、それがまた新鮮でとても楽しい1日になりました。

小川町は、いよいよ車のフロントガラスが凍りつくような日も出てきて、すっかり冬。 この日もよく晴れて、冷たく澄んだ朝の空気がシャッキっと目を覚ましてくれるような、そんな朝でした。

初の試みなので、参加者は、よく来てくださる方とスタッフに絞らせていただき、 5組の家族と数人で行いました。

会場は、いつもお昼ご飯をいただいている横田農場さんのお庭。 到着した人から、まずはお餅をつく場所を整えるために、落ち葉かきをして、 ためているところまで運びました。

そして、お米を蒸すために、せいろを洗って、火も起こします。 このせいろは、お醤油を仕込むときにも使用しているもののようで、 大きいのでたくさんお米が入るのが良いところだそうです。 「なんだか、おまんじゅうを蒸したくなるね」という声も聞こえましたが、確かにそんな見た目です。

参加者が全員揃ったので、横田さんからご挨拶いただきます。

と、ここでサプライズ!

「実は、大豆の脱穀がまだ残っていて …」。 お餅つきの前に半分の方は、畑で大豆の脱穀体験を行うことになりました。

数日前に曇りや雨の日が続いていたためだと思います。 しかし、こうやっておいしいお餅の前に、 すこしでもお手伝いさせていただけるのはむしろありがたいことに思えました。

今回もベテラン揃いなので、 「やっぱり、作業着もってくるんだった〜!」なんて言いながら、わいわい畑へ出かけました。 また、大豆の収穫や脱穀が初めての方も、 帰りがけに「お餅つきだけだと思っていたけど、畑も行かせてもらってラッキーだった!」 とおっしゃっていました。

畑に行かない残り半分の参加者は、餅つきの準備を進めます。

横田農場さんでも今年は初の餅つきで、まずは臼と杵を洗うところからスタートします。 釜でお米を蒸すためのお湯を沸かすその横で、七輪2台にも火を入れて、 道具を消毒するための熱湯をつくります。

沸騰するお湯を臼に入れて、たわしで擦っていくのですが、 なにしろ熱いので、だんだん我慢比べのようになってきて、とても盛り上がりました。

続いて、浸水しておいていただいたもち米を、せいろに移して蒸していきます。 白米を2升2回、黒米を2升1回。1回ずつ分けて、布を敷いたせいろに平らに広げます。 一般家庭ではそうそう目にしないお米の量なので、まずそこで驚いてしまいます。

釜の上に積む順番は、黒米が一番下。 火が通りにくいこともそうですが、下の段に色が映るのを防ぐためだそうです。

黒米を浸けてあった水を見ると、その意味がよくわかりますね …。 まるで赤ワインのような鮮やかな紫色。 この下に白米があったら、滴ってくる水分で、蒸している間に赤いご飯になってしまうのでしょう。

積んだせいろ同士の隙間から湯気が上がったら、蒸しあがった証拠。 そこまで、だいたい1時間ほどかかるので、その間、ずっと火の番をしながら待ちます。

お餅をつく場所、お餅をちぎったりまるめたりする場所、食べる場所。会場も同時に準備します。

(ここで、春に横田農場さんで収穫していたヤマモモがビールになったとのことで、麦雑穀工房さ んの地ビールをいただきました。)

そうこうしているうちに、大豆の脱穀に行っていた一団が戻って来て、いよいよお餅つきへ。

蒸しあがった真ん中の1段を取り出して、臼に入れました。 始めに、杵を使って粒を潰す作業を行います。

杵もかなり重量があり、扱うのにコツがいるのですが、 参加している男性陣が上手で手際よく、お米が冷めないうちにつける状態になりました。

そこまでいったら、あとは交代でぺったんぺったんとついていきます。 子どもも大人も、「よいしょ」と掛け声を掛け合いながら、楽しみました。 杵の重さを利用して、お餅の真ん中に下ろせると、大きなパン!という音がして、 見ている方も気持ちが良いです。

最初は、よろよろしてしまったり、つく力が弱かったりしていた参加者も、 回数を重ねるうちに上達していきました。

味噌作りに参加している方は、味噌用の大豆を同じように杵と臼で潰すので、 慣れるのが早かったような気がします。

実は重要な役目の手返しは、横田海さん(次男)が担当。 満遍なくお米の粒が潰れるように塊を返しながら、そのリズムの中で水分量の調整をするなど、お見事でした。

ちぎりもちの味は、2色の大根おろし、青山在来大豆のきなこ、あんこ、みたらし、 仕込んでいるお醤油のもろみ … など。

大きな大根を、小学生たちが丁寧におろしてくれました。 甘さと辛さがちょうど良く、おいしい大根おろしでした!ありがとう。

つきたてのおもちは熱々。でも、熱いうちにちぎらないといけません。 できるだけ短い時間で、さっとお餅を一口サイズにちぎっていくのも、なかなか難しい作業でした。

そして、お餅をちぎりながら、冷めないうちにどんどんつまんでいきます。 寒い中一仕事を終えてからの、おもちは格別で、本当に瞬く間に1回目の2升は、 みんなのお腹の中に消えました。

同じように、もう2升白米をついて、2回目は餡を包んで、大福のようにもしました。 こちらはちぎるよりも温度が大切で、少し時間が経って硬くなったお餅は薄く伸ばすことができなく なってしまいました。

それでも、包むあんこの量で競ってみたり、やかんを置いていた七輪で焼いてみたり … こちらも、わいわい楽しみました。

横田さん特製けんちん汁にも、おもちを入れていただきました。 大根、里芋、人参など、根菜がゴロゴロ入っていて、とても身体があたたまりました。

ここまできて、やっとお腹も満ちてきたので、一旦休憩して自己紹介タイムに。 先日、サンファーム高橋さんで6S(「小川町SDGsまち×ひとプロジェクト」)のイベントを企画された 方も来てくださっていて、US.Peace FARMの農業体験会もまた新しく広がっていきそうな予感がしました。

また、前々回、お母さんが大きなお腹で参加されていた家族も、無事赤ちゃんが生まれたそうで、 「また外に出られるようになったら、一緒に来ます」と嬉しいコメントをいただきました。

自己紹介が一周回ると、時計は14時半。もうこの時期は15時を過ぎると日が傾き始めるので、 最後の2升、黒米のお餅をつくことにしました。 蒸しあがったお米の粒があまりにツヤツヤで綺麗で、 臼に移す際に、みんなで寄ってたかってこの状態で味見しました。

プチプチした食感と強い甘みが、また白いお米とは違って、面白かったです。

そして、粒がしっかりしている分、潰すのにも時間がかかるので、 杵2本で練っていきました。 餅つきパートでは、最後の一回、思い残すことのないように、 子どもでもひとりでつきたい子はひとりで挑戦しました。

黒米のお餅もちぎりもちでいただきました。これが、同じ味付けでも一回目とはまた全然違って、 お腹いっぱいなはずなのに、完食してしまいました。

きなことあんこを組み合わせる人、大根おろしをのりで巻いて食べる人など、 各々でおいしい食べ方を探して、教え合っている様子もみられました。

最後は、記念撮影をしたら、お醤油、押し麦、麦茶、小川町の写真集 (海さんや小川町の若者が発行)などのお土産購入。

「良いお年を!」「また味噌づくりで!」と、声を掛け合って解散となりました。

2021年の良い締めくくりになりました。 横田農場さん、当日そして準備と片付けをありがとうございました。ごちそうさまでした。

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